岩下 さくら編 アークと魔法の本 その12
<異世界(岩下 さくら)サイド>
二級冒険者のヴァグナーが、8日病に効く薬草を探しに、ハーフエルフのショタっ子のメイダスを連れ出してから一日が経った。シスター・ベルティーアを看病していたパメラも感染してしまい、ギームスのいない孤児院の最年長はアークとなった。
アークは感染していないアンダ、ヒルク、シルシー、ブリンダをまとめて一室に閉じ込めた。抵抗力と体力のない子供が感染したら死ぬ確率はかなり高いのだ。しかしアークの目となってくれる者がいなくなり、ベルティーアやパメラを看病するのも大変になるものの、魔法を駆使して頑張っていた。
そもそもアークは8日病に感染しないのだ。理由としては、次の魔法を持っているから。
24:血書:支援:浄化(指定):体内の不純物を浄化する
この魔法で体内のウィルスを除去できてしまうためである。
また目の代わりに次の魔法が活躍している。予知で自分の行動に問題ないかを確認。探知でまわりの人間の居場所を確認。調査で空間の形を認識している。
04:時間:支援:予知(常時):一分先の危険予知
12:空間:支援:調査(常時):空間を把握する
23:血書:支援:探知(常時):生命反応を探知する
そんなとき、玄関に生命反応があった。訪問者かな?
(アーク、気を付けてね。生命反応だけでは、その人がどんな人か、わからないよ)
(うん。わかった)
私とアークは会話できるのだが、”スキル無詠唱系:意志の疎通”は、魔法の発動用スキルであり、使用していると、アークの魔力が消費されていくのだ。つまり、私がアークの目の代わりになることはできないのだ。
アークは調査の空間把握を使って、玄関までたどり着く。玄関にいたのは、商人風の男性。ぐったりと倒れている。間違いない8日病の感染者だ。
「このままだと、この人、死んでしまうかも」アークは男を背負うと、空いている部屋のベッドに寝かせる。
荒い息の男が話しかけてきた。「き、君は…目が見えないのか?」
「はい…」
「あぁ…神よ、盲目の少年と出会えました…」男は安心したように深い眠りに着いてしまった。
うん? 何だったんだ? 盲目の少年と出会えた?? 私はアークが不安がるのを感じてしまっていた。
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<異世界(大山 駿)サイド>
冒険者ギルドに借りた馬に乗り、金花を探しに東の森に来たのだが、メイダスの報告通りであり、オレの想像以上だった。
「なんだこりゃ? ゴブリンだらけじゃねーか!!」
馬を安全な場所に隠し、森に入ろうとするが、次々と押し寄せるゴブリンに進めない状態だった。




