根岸 太一編 定番販売で成り上がり その1
<異世界(根岸 太一)サイド>
気が付くと、大盗賊団に襲われていた。俺を殴り続けていた、盗賊団の頭と従者らしき男が突然苦しみ始めたのだ。俺は逃げ出すチャンスはここしかないと思い、全力で走った。俺が走る方角は、荷馬車の影、そして斜面になっていて、偶然なのか? 神のお導きなのか? 盗賊に発見されることはなかった。
俺は家族を捨てたのだ。嫁も息子も娘も…。って! 俺? 誰?
■名前:ルーカス ■職業:旅商人 ■性別:男 ■年齢:27 ■Lv:3
あぁ…。ルーカスって奴の人生を夢で見てた。あれが俺か…。夢かと思っていた。なぜか異世界の商人に転生したことを簡単に納得できてしまう。
やはり噂通り、王都ベスベスタまでの最後の難関である峠は、盗賊たちの恰好の狩場だった。もっと護衛に金をかけていれば、こんなことにはならなかったのか?
そして一日が経過し朝日が昇ると、俺は襲撃現場を恐る恐る見に行った。護衛たちの無残な姿に混ざって、息子の遺体を発見した。嫁と娘は、連れ去られたのだろう。
くそっ! いつか、いつか、復讐してやる…。盗賊も北条も!! 拳で地面を何度も殴った。
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<北条 彩乃サイド>
教室内、しかも授業中に発生した奇怪な事件。やってしまった…。事情聴取のため帰れません! それに帰るには保護者が必要とのこと。勿論、両親は海外出張のため、迎えに来ることができません。担任もわたしが帰るまで帰れない。
まぁ、わたしは異世界を除いているから、別にかまわないけど。
いや〜、しっかし、犯罪を取り締まる側が、犯罪者になってしまったね! いくら役割を与えられたからといって、あそこまで活き活きと人を惨殺するかね〜。
人間って怖いね! しかも嫁と娘相手にムフフって…。人間終わってるな。
あっ。腹減ってきた。そろそろ帰るか。
「中田先生、わたし、親が迎えに来たことにして、帰って良いですか?」
「そうしてもらうと、助かるわ〜」
お前も、わたしも、クズですね!!
歩きながら考える。これ以上、クラスの人間を異世界に送るのは、不味いかな?
どうしても残った人間に目が行くだろうし。
でも…知らない人間を送っても、面白くない。いや、知ってる人間も少ないけどさ。
それに知っている人間だと、どうしても関連性が生まれるよね?
まぁ、学校もしばらく休校が決まったし、家でのんびり考えるか…。
途中で、牛丼屋に入り、特盛りを買ったのだが、そこでバイトしていたのは、クラスメイトの”相葉 哲平”だった。目を合わせずに、「ありがとうございます」みたいな…。まぁ、昔のわたしなら、校則違反とか言いながら、説教したけどね。今は、そんなキャラでは無いのです!
悪い子は、異世界送り決定なのだけど、今は駄目だと、自重した。




