12、実技の授業②
…視線を感じる…まぁそうだよね。天族を力押しで勝ったのだから当然か…
「こらこら、授業に戻ってこい」
ガルド先生の言葉に全員が前を向いた。
「ガルド先生、今回の授業ってなんすか~?」
「今回の授業は使い魔の召喚だ」
使い魔の召喚は自分の魔力の性質で相応しいモンスターを召喚する儀式だ。
ちなみに、使い魔を持ってる奴はおそらく自力で手に入れたか家で受け継がれている奴だろう。
自力で手に入れてるという線は限りなく低いが・・・
ちなみにほとんどの奴が魔物、精霊程度しか出せないと聞く。
「具体的にどうすれば使い魔が召喚出来るんですか?」
一人の生徒が聞くと、ガルド先生は一つの箱を持ってきた。
その箱の中には大量の石のようなものが入っていた。
石というより水晶という表現が正しいだろう。
「良いか~カシエルとかは家から受け継いだ使い魔かも知れんが、基本は召喚石を使うんだ」
召喚石とは召喚儀式に必要な道具で使い方は至って簡単、魔力を少しでも注ぎ込めばその魔力の性質に合わせた使い魔を召喚してくれる。
召喚石で召喚した使い魔は友好関係無しでも契約ができるらしい。
ちなみに普通に銅貨四枚程度で売ってるのだが何回使っても結果は同じだ。
ガルド先生は使い魔を持たない生徒全員に配った
「よし、使い魔持ってねぇ奴は全員持ったな?じゃあやっていいぞ」
ほとんどの奴はEか、Dの魔物だった。でも、モンスターは成長に合わせて進化するから別に気にしない方が良いらしい。
ジルが校庭の端でやっていたので声をかける。
「ジル~、どうだった?」
「あー、俺はFランクのライトスライムだったぜ」
ジルの足元を見ると黄色の球体ゼリーみたいなのがいた。だいたい直径三十センチメートルだった
「ジル…」
「なんだよ、馬鹿にすんな」
「違う、お前何でコイツをライトスライムに変化させてんだ?」
そのライトスライムはスライムの見た目だが明らかに魔力量がスライムでは無い。おそらく変化が出来るということは魔族や天族より上のクラスだ。
変化させてる理由だが、多分俺と同じだろう。
すると、ジルは俺に小声で話かけた
「絶対誰にも言うなよ…コイツ、悪魔クラスだランクはS、言ったらお前の使い魔両方SSだって言い触らすからな!」
ほう、俺を脅すとはやるじゃないか・・・
脅しと言うより、子供が好きな子を秘密な!と言ってるぐらいのレベルだが・・・
「わかったよ、言わないからリンとメリィのことは絶対言うなよ。それでそいつ本当は何のモンスターなんだ?」
「あぁ、ユニコーンだ」
ユニコーンは別名一角獣と呼ばれるモンスターだ。知能が高く、光属性の悪魔と少し珍しい。
「何でライトスライムにしてんだよ!」
「だって悪目立ちすんだろ!」
「そりゃあそうだけどよ…」
確かにSランクの悪魔クラスを召喚したとなると、それはもう大騒ぎだ。
ライトスライムの方が良いのかもしれない。
まぁ、ジルも俺と同じように悪目立ちは嫌いのようだ。
「全員、召喚出来たか~?」
ガルド先生の声にクラスの全員が返事をする。
返事をせず、話混んでいるのは俺達だけだった
ガルド先生俺達の方に来てライトスライム(仮)を見ている
「…ジル」
やっと話が終わり、やっとガルド先生がこちらに来てるのに気付くジル。
怒られるかと思った…その時、ガルド先生は涙を流しながらジルの肩を叩いた。
「ジル、ランク何て気にするな……」
「え?何で泣いてんすか!?」
ジルは動揺している。ガルド先生は泣きながら「大丈夫、先生は味方だ」と言って授業を再開した。
何か勘違いされている・・・
「何か罪悪感しないんだが…」
「よーし、次は使い魔と一緒に戦う戦闘に入る!全員十分後に集まれ!解散!」
「次は使い魔との戦闘かー、…ん?使い魔と…?」
マジか…リンとメリィを出さなきゃいけないのか―――
十分後に戦うと言っていたので俺は悩んでいる。
問題は戦うことじゃない…
使い魔と戦うという事だ…
俺の使い魔、フェニックスとアスモデウス・・・
目立つとしか思えない。
「(大丈夫ですクロさん!もう手遅れじゃないですか!)」
「(そうだよクロ!もう目立ちまくってるから、これ以上失うことは無いよ!)」
そこはせめて「頑張ってー」でもいいから言って欲しかった・・・
「おーい、クロ、どんな作戦でいくんだ?」
後ろから声を掛けてきたのはジルだ。
「ジルはどんな作戦だ?」
「情報交換でどうよ!」
なるほど、情報交換の手があったか。まぁ情報交換してもあんまりジルにはメリットはないと思うが…だって作戦中で上がった案が【(相手の)命大事に】だからなぁ…
俺はその事をジルは話した。
「クロ、それは多分無理だ」
「どういう事だ?」
「お前多分、挑戦こないと思うぜ、さっきバリバリ天族を倒しちまったお前はちょっとした脅威だからな」
「あ、そういえばそうだった…」
「じゃ、俺はもう行くぜ」
…確かにさっき強力な天族を片手で倒したし…そんな俺を見て誰も挑戦したがらないだろう…逆に狙われるのはライトスライム(笑)を引いたジルだろう…
ってかジルは情報交換しに来たんじゃなくて俺にそれ言いたかっただけなんじゃ…
でも、挑戦が来ないなら最後まで逃げればいいか。そう思ってた時期も俺にはありました―――
「よし、全員集まったな。じゃあルールを説明する」
ルールは大体こんな感じ
・サバイバル式
・使い魔、もしくは本人が戦闘不能と判断された場合負けになる
・最後の三人になった時点で終了。
・学校全体に結界があり重傷になることは無いので安心して戦え
これを守れば基本何しても大丈夫だそうだ。
「三分後に開始する!ほら!逃げろ!」
ガルド先生の声で校庭に散らばる。
俺も適当に逃げる。
校庭と言ってもこの学校の目的の一つは戦争で使えそうな人材を育てる事だ。
なので校庭は戦闘訓練できそうな場所が沢山ある。
色んな所に障害物があったり、隠れる場所が多い。
校庭のエリアは三ツ。
障害物の岩が道の所々があり両端に木が植えてあったりして、木々の影から不意打ちも出来るし、岩に隠れて五感を鍛えるのに向いてそうなエリア。
湖のような場所で、橋が沢山あり、攻撃を交わして落ちないようにバランス感覚が鍛える事が出来そうなエリア。
最後に荒野のエリア、なにも無いので一騎打ちが出来る感じだ。
俺は今回、広いとこで力を使ってみたいので出来れば荒野に行きたいな。
適当に障害物エリアに来るとピーーーーッと合図が聞こえた。
ここで戦い始まるのか…
突然周り木々の影から俺に目掛けて魔法が放たれた!
俺は武器を腕輪からだした。すると黒い刃に血のような赤い線が真ん中に入っている片手剣が出てきた。まぁこれも暴龍バハムートの奴なんだろう…
俺は剣に魔力を込めて強化し、魔法に向かって振ってみたすると剣の先から黒い光が飛んで二メートルほど離れている魔法は光に触れると消滅した。
しかし反対側の魔法は消えてないので、二人を呼んだ。
「リン、メリィ、出ておいで」
俺の背中の方の地面に二つの魔方陣が出て、そこからリンとメリィが出てきた。
リンとメリィは飛んで来る魔法を半分ずつ担当した。
リンは光属性のホーリープロテクト、メリィは闇属性の魔力吸収を使った。
ホーリープロテクトは飛んでくる技を全て無効にする技。
魔力吸収はそのまま魔法を吸収する力。
その魔力は、使い魔契約をしてる俺に流れてくるのでホーリープロテクト分の魔力をリンに渡した。結果俺達は何も消費していない。
でも何故俺を攻撃したんだ?しかも全員で…
不思議がっているとクラスメイトの男子全員が出てきた。
もちろんこの中にはジルはいなかった。
「なぁ、何で俺を攻撃するんだ?」
「これはサバイバルだから手を組むのも有りなんだよ!どうだ?驚いたか?君はカシエルさんに何かしたんだろ?そのお返しさ」
…しょうもな。
もしも何もしてなかったとしたら、こいつらがどう対応したのだろう?
「お前らあれか?カシエルさんを好きな団体的なあれか?」
「当たり前だ!なぁ!?皆!」
すると後ろの男子全員が声を合わせて「カシエルさんにこの命捧げる!!」と大声で叫んだ。
…見てるこっちが恥ずかしい…
「クロ、どうするの?」
「クロさん、あの人達怖いです……」
リンとメリィが怖がっているので重力で捩じ伏せた。
全員が気絶した。俺はリンとメリィの頭を撫でた。
「さっきは魔法防いでくれてありがとうな」
リンとメリィの背丈は俺の顎までぐらいしか無いのでちょうど頭を撫でやすい位置にある。
撫で終わると二人はとても嬉しそうに笑顔でテンションが上がっている。
次からご褒美に撫で撫でしてあげよう…
男子の俺とジルを抜いた人数は十三人、つまり後残りの敵は……十六人か。




