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18話 サラ

「さて今度は我の番だな? お主、名は」

「私はトキ。トキ・ヴェルカルト」

「『上に立つ者』か…この世界の半分ずつを支配しているあの2人を差し置いてその名前とは…付けたものの顔が見てみたいな…」


サラの言葉にトキはムッとした表情でサラを睨む。


「セラは強いもん」

「ハッハッハ如何にセラという者が強かろうとあの2人には勝てるはずあるまい」

「強いもん」


トキはふくれっ面でもう1度言う。


「分かった分かった。年長者たる我が折れよう。お主の言うそのセラとやらは強い」

「うん」

『これでへそ曲げられてあの悪魔を呼ばれたら溜まったもんじゃないからな…』

「それで、お主はどっから入ってきたのじゃ? ここが入口でお主が出てきた所は行き止まりになってて、その行き止まりにここへの転移魔法陣が敷設してあってここへ帰って来れるようになってるのだが…ここから入るには我が許可せねばその扉は開かぬのじゃが、我はお主のような童子がここを通った記憶はないぞ?」


トキはここに来るまでの経緯を簡潔に説明した。


「…雪竜の幼体か…春になったら雪は解け、高レベルのモンスターが外に出て生態系を崩すやもしれん。ましてや何も知らない者が入って死者を出すやもしれんな…」


サラは金貨の山をガサゴソと掻き分けると埋もれていた床に張り付いた扉が露になった。

サラはその扉を爪でトントンとノックする。扉は少ししてから開きサラは扉に向かって言う。


「アル爺さん、お仕事だ」


開いた扉の中はトキの位置からは覗き見ることは出来ないが人の気配を感じとった。


「サラ、お主まぁた何か壊したのか?」


呆れた風の声が扉から帰ってきた。声からして老人のように少ししわがれた声だった。


「我じゃない…雪竜の幼体が外に繋がる穴を作ったのじゃ。塞がないとまずいんじゃなかろうか?」

「あーやっぱそうなったかーやはりあのフロアの壁はもっと強化せにゃならんかったか…して何人が犠牲になった?」


扉の向こうからの問いにサラはトキを見る。

トキは手を無い無いというふうに手を振る。


「無いそうじゃ」

「ホッホッホ…紫玉双頭蛇(ふたつ首)紫玉蛇(ひとつ首)の居る階層を犠牲無しで奥の部屋に行けるはずがあるまい…本当は何人じゃ?」

「1人で逆走して来たんじゃって…途中途中で悪魔を従え、増やして…」

「はて? 悪魔が何なのか知らぬが逆走? 一方通行じゃろ?」

「だーかーらー逃げた雪竜の幼体の話はしたじゃろ? その穴に落ちて逆走してきたらしいのじゃ」

「なるほどのぉ…そんじゃその穴からほかのモンスターが逃げ出さんよう塞いでくるわい」


扉の向こうの声の主はそういうと気配が溶けるように消えていった。その感覚にトキは違和感を感じた。


『《気配感知》持ってないのに居なくなったのが分かった?』

「不思議そうな顔しとるの? どうしたんじゃ?」


トキはサラに違和感について聞くとサラはカッカッカと笑いながら答える。


「あの爺さんはちと特別での…どんなに気配を消そうとも存在感が残ってしまうんじゃよ。」

「どういう理屈?」


サラは「う~ん」と唸ってから答えた。


「う~ん強いて言うなら強者の存在感…かのぉ?」

「ユネとセラにはそういうのなかったけど…」


トキは考えながら言うとサラは勝ち誇ったかのような表情で言った。


「そのユネとセラとやらは大したことはないのだろう」

「ユネもセラも強いもん…」

「はいはい。そういうことにしおこうの」


サラの勝ち誇ったかのような表情は変わることはなかった。

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