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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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第二部 第56話 核

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回の第56話では、“核”について少し踏み込んだ話になります。


腐敗神の核。


竜の核。


そして、それらを境界の外へ持ち出した場合、何が起こるのか。


ハク達竜族側の過去も少し語られます。


また今回、おうりの


「ガンザ、泣いてた」


という言葉も重要です。


危険な存在であるはずの腐敗神。


ですが、その内側には別の感情もあるのかもしれません。


そして最後に、玲桜が気づく“母の行動”。


よろしくお願いいたします。


作品の設定や登場人物については、作者ブログ「DEGUだよ。」でも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

「腐敗神と」


⸻


玲桜が静かに言う。


⸻


「破壊神が外にいる」


⸻


沈黙。


⸻


山城と吉見。


⸻


完全停止。


⸻


数秒後。


⸻


「なんだその」


⸻


山城が頭を抱える。


⸻


「世界滅亡一歩手前みたいなのは!!」


⸻


吉見も真顔だった。


⸻


「もう終わってるだろそれ」


⸻


玲桜は冷静だった。


⸻


「ガンザはいいが」


⸻


「核は取り戻さないと」


⸻


山城が即座に食いつく。


⸻


「よ、よくないだろ!!」


⸻


「腐敗神外にいるんだぞ!!?」


⸻


玲桜。


⸻


少し考える。


⸻


「……ガンザには」


⸻


「大したことはできない」


⸻


沈黙。


⸻


「え?」


⸻


「核は」


⸻


「おうりが」


⸻


「その力のほとんどは」


⸻


「みすずの中だ」


⸻


吉見が止まる。


⸻


「……は?」


⸻


説明が足りない。


⸻


だが。


⸻


聖域側は普通に聞いていた。


⸻


玲桜は続ける。


⸻


「だが」


⸻


「赤竜のコウの核が」


⸻


その瞬間。


⸻


ハクが静かに口を開く。


⸻


白い美女。


⸻


だが。


その目は竜だった。


⸻


「それだけでは」


⸻


「使えまい」


⸻


静かな声。


⸻


「竜族の核は」


⸻


「加工すれば色々使える」


⸻


空気が少し冷える。


⸻


「故に」


⸻


「狩られたこともある」


⸻


吉見と山城の顔色が変わる。


⸻


ハクは続けた。


⸻


「じゃが」


⸻


「それだけでは」


⸻


「何もできはすまい」


⸻


少し間。


⸻


「……やり方によっては」


⸻


沈黙。


⸻


吉見が嫌な顔をする。


⸻


「“よっては”?」


⸻


山城も顔をしかめた。


⸻


「嫌な予感しかしねぇぞ」


⸻


ハクが静かに目を伏せる。


⸻


「核は」


⸻


「力そのもの」


⸻


「腐敗神の核」


⸻


「竜の核」


⸻


「境界の外」


⸻


空気が変わる。


⸻


玲桜が小さくつぶやく。


⸻


「……最悪」


⸻


「通路を壊せる」


⸻


「「「はぁっ!?」」」


⸻


吉見と山城が同時に叫ぶ。


⸻


銀次が眠そうに補足する。


⸻


「んー……」


⸻


「壊すっていうか」


⸻


「無理やり穴あける感じ」


⸻


「軽く言うな!!」


⸻


山城が叫ぶ。


⸻


玲桜は静かだった。


⸻


「だから」


⸻


「取り返す必要がある」


⸻


空気が張り詰める。


⸻


その瞬間。


⸻


おうりがぽつりと言った。


⸻


「……でも」


⸻


全員が見る。


⸻


おうりは静かだった。


⸻


「ガンザ」


⸻


「泣いてた」


⸻


沈黙。


⸻


「……は?」


⸻


おうりは続ける。


⸻


「ひとりで」


⸻


「こわいって」


⸻


空気が止まる。


⸻


玲桜が静かに目を閉じた。


⸻


そして。


⸻


小さくため息をつく。


⸻


「……だから」


⸻


「母さんが外へ出たのか」

第二部第56話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、“核”というものがかなり危険な存在として描かれる回になりました。


特に竜族にとって核は、


「力そのもの」


です。


だからこそ、過去には狩られたこともある。


ハクの言葉は、その歴史を少し感じさせるものでもありました。


また今回、


「通路を壊す」


という話も出ています。


正確には、銀次の言う通り“穴を開ける”に近いのですが、どちらにせよかなり危険です。


普通なら絶対に許されない行為です。


ですが、そんな緊張感の中で、おうりは


「ガンザ、泣いてた」


と言いました。


ここが今回かなり大きなポイントです。


周囲が“危険存在”として見ている中、おうりだけは別のものを見ています。


だからこそ、玲桜は


「母さんが外へ出た理由」


に気づきました。


スピネルは、危険だから動いたのではなく――


“泣いているもの”を放っておけなかったのかもしれません。


世界観や登場人物については、作者ブログ「DEGUだよ。」でも少しずつ整理していますので、よろしければご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

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