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レールの上  作者: トム
10/10

復讐(最終回)




四日前の日曜日‥‥


優子が行方不明になった日。


そして、もう一人の私が動き出してしまった日。




あの日、優子は泣いていた。


ーなぜ?



滝川由美に紹介された男の子に振られたから‥‥



それもある




でも、真の理由は私が‥‥雨宮希美がそうさせた。



自分の腕の中で震える優子は目に涙を浮かべながら


『どうして‥‥』


と小さく嘆いた。



頭からは血が流れてきている。


場所は家からそう離れていない川の近くだ。



この寒空の下、人っこ一人もいないところで私は犯行に及んだ。




本当は私だってこんなことしたくなかった。


だけど、良いチャンスだと思った。



あいつに復讐できる。



たったそれだけの動機で人を殺めた。







『でも、びっくりしちゃったよ』店の中で、滝川は再び口を開いた。


『まさか、小学生の時のクラスメイトだったとは‥‥つい最近気づいちゃったんだよねー‥‥雨宮希美君‥‥でしょ?』




『‥‥うん。私も気づいてたよ、滝川さん‥‥』


今度は動じずにまっすぐ滝川の目を見つめる希美。





小学生の時の私の一人称は僕か俺がふさわしいとされていた。



とても悩んでいた。自分の性に対して‥‥。


女の子らしい格好や綺麗なもの、言葉遣い‥‥すべて手に入れたかった。


乱暴なことや女の子に対する性欲もないに等しく、ただ一緒におしゃべりして女の


子として楽しく生きたかった。



たったそれだけのことなのにっ‥‥



滝川由美はそれを理由に僕を私を



いじめた。



否定され、拒絶され、笑い者となった私は、いつしかどん底に落ちて行った。



両親にはとてつもなく迷惑をかけた‥‥それは分かっていた。


でもそうまでしても僕は私になりたかった。



そして生まれ変わったこの姿でいつか、再び会う事があれば復讐してやりたい‥‥




そう願い続けてやっとこの時がやってきた。


友達の優子を失うことになってしまったが、それは仕方のない話で彼女の死は滝川によって起こったことである。


そう私は結びつける事を復讐とした。




『でもまさか、本当に女の子になっちゃうなんて思ってもいなかった‥‥知った時めっちゃ驚いた』



『え‥‥』



『今思い出してみると、私、あの時結構酷い事してたよね〜今更だけど謝らせて、本当ゴメン‥‥ていうか私より可愛いとかずるくない?』


屈託ない笑みを浮かべ滝川は当時のことを突然謝ってきた。



それを聞いた途端、希美の頭の中が真っ白になった。





優子を川の近くまで送る時



『今日は話聞いてくれてありがとう、私、彼(白川優人)に結構ヤバいこと言っちゃったんだ‥‥』



『えっ何て?』


『えっ‥‥何って‥‥あんまり言いたくないけど‥‥私を振るんだったら強姦されたって言うって‥‥自分でも何言っちゃってんのって感じなんだけどさっ』



『じゃあ、それ現実にしてみる?』



『‥‥え?』




その時の私は男だったのか女だったのか分からない。


だけど‥‥



なりたかった女の子には永遠になれない‥‥そんな気がした。




『どうして‥‥』




滝川の前で優子の最後の言葉を口にした。



優子は『どうして‥‥』の先、なんと言おうとしていたのだろうか‥‥。



私と優子の間に友情など存在していたのかでさえ分からなくなった。

































これにて終了です。←無理矢理終わらせた感が否めませんが(汗)


解説 


まとめると性転換をした元男の子(現在女の子)の復讐のお話です。


雨宮希美は滝川由美に優子を殺害したという罪をきせようとしていました。


そのために犠牲になった優子。しかし彼女を殺したのは紛れもなく自分。


かつては男であった自分の力強さを利用し、犯行に及んでしまったその時点で女の


子である自分を否定することになる。そしてたった今、女として認めてくれたあの


恨めしい滝川由美がいる。板挟みの雨宮希美の葛藤を描いたつもりでした。


ちょっとサイコっぽいよく分からないものになりましたが(苦笑)


読んで下さった方、ありがとうございます!



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