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レールの上  作者: トム
1/10

心の迷い

第二作品目ですw


ジャンルはよく分かりませんが、ちょっとホラー要素入ってるかもしれません。


明るいものではないと断言はできます(笑)



『私、とうとう振られたよー』


くしゃくしゃ顔で泣き叫びながら部屋に飛び込んで来たのは『恋愛経験なんてない』ってこの間、私に凹んだような姿を見せたばかりの女友達、優子だった。



バイクの音と光が自分の部屋に侵入し、通り過ぎて行くほんの少しの間、私は悩んだ。

ベッドの脇に置いてある時計を見ると6の上に短針が重なっていた。


いつのまにか外は日が沈んでいる。


カレンダーの日付が赤色の日は大抵自室のベッドの上でゴロゴロしていることの多かった私は、時間に疎かった。



ー冬の夜は始まったばかりだ。



泣く事しかできない状態の友達を前に、なだめることもなく本題に入ろうとするのはどうかしているだろうか。


『あのさ、アンタいつから誰と付き合ってたの?』


考え抜いた末に出て来た言葉だが、自分でも直球な質問だということは十分承知の上だ。


優子はお気に入りのいつも持ち歩いている、ブランドの鞄を胸に抱きながら床に体操座りをしている。


梅干しのような顔をしている優子を見るのは久しぶりではあったが見慣れている。

こういう時は、思う存分言いたい事を言わせて事なき終える。


それが、長年の優子との付き合いから得た暗黙のルール‥‥いや教訓ということにしておこう。



まだ学生の身である私達は実家暮らしで収入源も限られてはいるものの、高校生ともなれば恋愛やおしゃれに執着し始める。



きっとそれは今まで以上に他人の目を気にしている‥‥。


気にしていかなければならない大人への第一歩なのかもしれない。




 優子は一人っ娘で両親から溺愛されている。

家に遊びに行けば、一目瞭然で部屋の至る所に、家族で出かけた時の写真が飾ってあり、必ずと言っていいくらい彼女を挟むようにして両親が写っている。


幸せ者め‥‥。


何度かそんな風に思ったことがある。


だからなのか、彼女が泣いている姿を前にしても一緒になって泣いたりはしなかった。



泣き疲れた優子は、ようやく語り出した。


『あ‥‥そっか‥‥希美には言ってなかったよね‥‥私っ、友達の紹介で付き合ってた人が居て‥‥』


長い付き合いとはいえ、私も含めお互い何でも相談する訳ではないのは分かっていた。きっと隠していることは山ほどある。


でもそれもひっくるめて理解し合えている点では、気楽でいられる。

面倒なことが嫌いなのが唯一の共通点として挙げられるが、それが面倒といつか誰かに言われそうな気がする。





俯きながら話す彼女の顔には髪の毛が被さり、有名なホラー映画に出てくるリ◯グの◯子を想わせた。


丸まったティッシュの散乱を横目に『友達の紹介で?』とオウム返しをする。


『う、うん‥‥』あまり言いたくないような空気を出しつつも半分言い訳でもしているかのように優子は説明した。


『だって、私のグループの子のほとんどに彼氏が居てね。なんていうか、そういう話ばっかりなんだもん。おすすめのデートスポットとか‥‥彼がどうたらこうたらで‥‥とか。浮いちゃうのヤダし、だったら思い切って作ってみようって思ったんだ。』


『ほー?』


行動派‥‥というかなんというか。心の中で呟く。


目に溜まった涙を拭いながら優子は続けた。




『でも、好きとかよく分からないし‥‥。って悩んでたら由美がね、あっ由美って言うのは、ウチのクラスの滝川由美ね、知ってるでしょ?』


『う、‥‥うん』

記憶を辿ると、アイメイクの濃い、制服のプリーツスカートを太ももの辺りまで捲いた大人びた雰囲気を持つ女子生徒が頭に浮かんだ。



『良い奴紹介してくれるって、今から1週間前に駅前で約束したの。‥‥でも来たのは彼だけでなぜか由美は来なくて‥‥不安だったけど、一日一緒に過ごしてみて、あ、いい人って思ったんだ。優しいし、ルックスもまあまあだし。あ、でもちょっと無口で沈黙したときは気まずかったな』



『そうなの‥‥。』


優子の話はとにかく長かった。

デートの内容と感想、そして門限が過ぎてしまい親に怒られてしまった話、友達の愚痴など盛りだくさん。気づけば、時間は19時近くになっていた。


『いけない、帰らなくちゃ』


塾や習い事の時は車での送迎があるから良いにしても、休日や遊びの門限は19時だそうで、これでも無理を言って長くして貰った結果らしい。



 さっきまでの顔が嘘のように晴れ渡っていた。

たった今点けた、照明により彼女はさらに輝かしく見えた。


それならそれでいいのだが、なぜか自分の胸の辺りがモヤモヤしているのがやけに気になって仕方がない。


優子はまた話すと言い、ロングスカートを揺らしながら、急ぎ足でその場に私を残すかのように去って行った。




 滝川由美という女子の名前が出て来た時、自分の中でなにかひっかかるものがあった。

私にとって彼女が単に好きなタイプとは言い難いからかもしれない。


友達を通しての友達造り(友達の友達)とは、上手くいかないのが正解という勝手な見解を持っていた。



その見解をいつ持ったのかなんて覚えてもいないけれどー




ーガチャ


『ただいま~、あら希美こんなところで何してるの?』


そんなことを考えていると、ちょうど母親が帰ってきた。


不思議そうに首を傾げる母親の目には活気が感じられなかった。



『おかえり‥‥別に。』素っ気なく答えて部屋に戻ろうとしたが止める。



茶髪に染めたショートヘアに黒のダウン姿の若々しい40代のお母さんは、今日も父方の祖母ーつまり、母からしたら姑に会いに行っていたようだ。通りで手荷物の多い事この上ない。



さすがに理由もなくボーッとしていたと思われたくなかったから、両手に買い物袋を持っていた母親から、一袋奪い台所まで運んだ。


いつも友達を家に上げる時はそうだが、さっきまで優子が来ていたことは伏せた。


まあ、家にはもう一人家族がいるのだけど‥‥その心配はする必要がなかった。





 ー真っ暗な部屋に車のライトが侵入する。ーシャッ カーテンを閉めた音が響き渡った。黒い人影はそこに腰掛けながら、鼻歌を歌う。誰にも聴こえない歌を‥‥。





つづく


いかがでしたでしょうか‥‥。

『またよく分からないもん投稿して来たなー』という方、いらっしゃるのではと思います。書いてませんでしたが彼女達(希美と優子)は同じクラスではありません。


現時点での登場人物紹介


一番最後の謎の黒い人影


希美、優子、希美の母親です。


(※滝川由美や優子を振った男の子、優子の両親、希美の家族)


読んで下さった方、ありがとうございます。ぼちぼち投稿していけたらと思います。





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