第五話 「 作戦中止 」 昭和十七年 五月
285隊が初陣予定の作戦は、「AL/MI作戦」という。
アリューシャン列島に陽動作戦を仕掛けつつ、その間に敵本拠地に近い
ミッドウェー島を攻略。次手でハワイを攻略する計画だ。
・・・いや、計画「だった」。
五月中旬。大本営から、司令に大きな知らせが届いた。
FV「緊急会議って・・・どうしたんです?」
グリム「何か問題でもありました?」
司令「・・・すまないが、AL/MI作戦は中止だ。別作戦へと切り替える。」
岩井「司令、事情説明を願いたい。」
司令「どうやら、敵に作戦内容がばれたようなのだ。」
「それに加え、先日の兵棋演習の結果なんだが・・・まるでダメだ。」
「勝てはするが、空母3隻は失うという結果が出てきた。これでは意味がない」
「しかも、占領後の補給線や防衛を考えると・・・」
岩井「戦力を消費するだけの価値はない、ということか。」
グリム「では、どうするんです?」
FV「放っておいたら、あいつらどんどん数を増しますよ?」
司令「そこで考えられた作戦が、『米豪遮断作戦』だ。」
「英・米・豪の連携を断ちつつ、補給線を確保する。」
「我々はこれより、南方ラバウルへと進出する!」
グリム「おお!我々もついにラバウル航空隊ですか!」
FV「了解っす。ただ、きつい戦いになりそうっすね・・・」
司令「それに伴い・・・やっと定数が埋まるそうだ。」
岩井「・・・やっとか。」
実を言うと、現在諸事情で定数が埋まっていない。
定数24の所、第一部隊が15機、第二部隊が14機。だいぶ不足していた。
司令「それと、転戦に伴い、我が隊も増強することになった。」
「増援隊とは、現地で合流することになっている。」
岩井「数が増えるのはありがたいが、敷地が足りるのか?」
司令「上に聞いてみたが、問題はないと言っていた。」
岩井「複数の基地を使うとかじゃないのか?だいぶ効率が悪そうだが・・・」
司令「それが、基地は1つらしいぞ・・・となると、随分とでかい基地だな。」
FV「迷子にならねぇといいんすけどねぇ。」
グリム「ラバウルまでは飛んでいくんですかー?」
司令「いや、護衛空母が乗せてくれるらしい。」
グリム「船酔いしないといいけど・・・」
岩井「船は苦手か?」
グリム「小さい頃氷川丸に乗せてもらったのですが、高波で酔いましたね・・・」
「あれ以来、ちょっと苦手です・・・」
岩井「そうか。まあ、私が前いた艦よりはましだろ。」
FV「大尉の前の艦・・・鳳翔っすか。」
かくして、285隊は南へ征くこととなった。
目的地はラバウル。南方戦線の最前線であり、最大の激戦地だ。
死闘という死闘に、285隊は身を投じることとなる・・・




