第8話
行間の取り方変えてみました。
社交界デビューします。
今回は王国貴族の子供が無事に5歳になった事を祝う場となる為、場所は王城の赤珊瑚宮で執り行われ、王様もお見えになるそうだ。
会場へ両親と3人で向かうが、下級貴族から順番に会場入りする為に遅めに屋敷を出た。
自分より上の者を待たせない様にする為の貴族ルールだ。
今回は、王様への顔見せと学園が始まる前に子供達の顔合わせを兼ねるが、俺は別で王様に挨拶をする予定が組まれている。
事前に祖父から王様へステータスの件で報告させて頂く手紙を送っている為、逃げる事は出来ない。
まー、あの2人も同じ様な状況だろうからもしかしたら2人と会える機会が増えるかもしれない期待の方が大きい。
赤珊瑚宮へ会場入りすると既に多くの貴族と子供達が集まっており、現在105家ある領地持ち貴族の半数ぐらいはいるだろう。
俺たちが会場に入ったのを確認して順番に下級貴族達がアイン、ローザ、俺の順で挨拶をしていく。
鑑定で子供の称号を確認していくが、2人は居なかったので無難に言質を取られない様に気を付けて会話をする。
挨拶と鑑定で周りが見えていなかったが、挨拶に来る下級貴族が落ち着いてくると周りが見える様になってきた。
ホールには俺と同じ様な状況になっている人の塊があと7つ程あった。
まだ距離があり鑑定は出来ないが、この挨拶が一区切りすればアインからそれぞれに挨拶に連れて行ってくれるだろうと、思っていたら声が響いた。
「バルトハルド王、お妃様、王女殿下がご到着されました!」
会場が静まり返り8つの塊が解けていく。
アインに促され移動する時にアリーと目が合ったのでウインクをすると顔を赤く染めていた。
ローザにウインクしたのを見られお小言を頂いた後に衣装の乱れを確認され姿勢を正すと王様達が入室された。
王様が到着され皆へ有難いお言葉を頂き社交界は始まった。
アインからまずは王様へ挨拶をしに行く事を伝えられたので一緒に向かうと、アリーが王様に挨拶をしていた。
俺達は3番目で前に並ぶのはブエルタ侯爵家の坊ちゃんだった。
鑑定を掛けたが、俺が探している人物では無かった。
俺の番になった。
緊張はするが両親もいるので言葉を噛む事無く王様に挨拶を済ませると、王様から明日謁見の間で改めてステータスの件を話す事が伝えられた。
お妃様と王女殿下へも挨拶を済ませて戻る為に振り向くと次の方が待っていた。
近ずいた時に鑑定を掛けると思わず声が出た。
少し声が大きかった様で、アインに心配されて声を掛けられたが、我に帰りなんでもない事を伝えて何事も無かった様に歩くが1人見つかった事に内心は嬉しかった。
擦れ違う時に一言掛けられたので、後ろにいた子供に鑑定すると2人目だった。
やっと会えて嬉しいが3人とも転生先が辺境伯だったので、今回の社交界が終わったら次に会えるのは学園になると思っていたらアインとローザに上級貴族へ挨拶に行く話をされたので胸が高鳴った。
ブエルタ侯爵家への挨拶をそつなくこなして笑顔でアリーと会話を交わす。
まだ仮ではあるが婚約者有力候補であり可愛い女の子だ。
俺はロリコンでは無いが、年齢に精神が引っ張られているのだろう。
会話も弾みとても楽しかった。
その後、テツジが転生したベーム辺境伯家次期当主長男のルドルフ・フォン・ベームとケイスケが転生したバース辺境伯家次期当主長男のヴィルケン・フォン・バースに挨拶をする。
家同士の挨拶が一段落つくと子供同士で会話をする機会が出来たので3人で集まった。
まずは仲良くなった雰囲気を出す為にお互いを愛称で呼ぶ約束をした後に、アル達は周りに人が多いので話せる内容は当たり障りのない家族の事や魔法の話に来年始まる学園へ入学したらやりたい事などで盛り上がる。
そこに、アリーが俺に声を掛けてきたので、友達になった事を伝え2人を改めて紹介したがその後が大変だった。
上級貴族が4人集まると、もう1つの侯爵家と伯爵家の3家が集まり、遠巻きにして見ていた王女殿下をヴィルが声を掛けに行き連れて来られた。
王家に上級貴族の子供が集まったので、下級貴族の者が自家の子供と縁を結ばせようとして更に集まり収取がつかなくなってきた所でルディが手を叩き注目を集めると皆に分かれる様に声を掛けた。
俺とアリーにボアノス伯爵家の女の子を中心にした東部グループ、ルディとボンダー伯爵家の女の子にブエルタ侯爵家の男の子の西部グループ、ヴィルと王女殿下にボッチー伯爵家の男の子を中心にした南部グループで王国の東部、西部、南部で3つに上手に分散した。
その後は大きな混乱も無く、無事に社交界デビューが終了した。明日は王様との謁見があるので疲れた俺は早めに休むのだった。
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翌日になりました。
今日はアインに先代当主アダンの3人で王様に謁見する予定です。
ローザとキャロに身支度を手伝ってもらい準備は万全です。
馬車に乗り王城へ向かう途中にアダンとアインから謁見の間での作法の再確認をしていると王城に到着した。
3人は王宮警護兵に謁見迄の間に待機する部屋へ案内されると、所用を言いつけるメイドを部屋から下げてアルはステータスを2人に確認された。
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表面
名前 アルベルト・フォン・べート
年齢 5
種族 人族
レベル1
職業 べート辺境伯家次期当主長男
体力1950
魔力4400
筋力1050
俊敏860
器用245
知力794
幸運25
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裏面
剣術LV12
槍術LV6
体術LV18
魔力操作LV30
魔力感知LV28
魔力循環LV27
魔力回復LV15
火魔法LV15
水魔法LV27
風魔法LV25
土魔法LV23
光魔法LV29
(闇魔法LV5)
雷魔法LV7
氷魔法LV11
聖魔法LV16
(影魔法LV1)
(木魔法LV4)
(火炎魔法LV3)
身体強化LV24
体力回復LV9
指導LV4
北方大陸共用言語LV14
礼儀作法LV7
ポーカーフェイスLV3
ダンスLV2
(抽出LV3)
(練金LV3)
(料理LV3)
(鑑定LV27)
(隠蔽LV24)
斬撃耐性LV2
打撃体制LV4
(精神耐性LV5)
ステータス上昇率大UP
スキル習得率大UP
必要経験値半減
(ストレージ)
(魔導二輪LV1)
(書庫)
称号
(転生者 琳堂 建吾)
創世神の祝福
地母神の祝福
神々の加護
神童
シスコン&ブラコン
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アダンへは祖父のアーサーからスキルの件はある程度話が伝わっていたが、実際に目にすると曽孫の凄さを理解する。
アインは定期的にステータスの報告を受けていたので我が子の才能に笑みを浮かべて頷きつつ、アダンへ鍛錬や魔法の訓練などの説明しながら天才ぶりを補足した。
アダンは難しい顔をしていたが、孫と曽孫の笑顔で説明する姿を見ていると、王様からどの様な質問を受けたとしても自身が矢面に立とうと決意し笑顔を2人に向けアルとアインを褒めるのだった。
1時間程で謁見の準備が整い王宮警護の兵に謁見の間へ誘導された。
「ベート辺境伯家、先代当主アダン卿、次期当主アイン卿、次期当主長子アルベルト殿、謁見の間へお入りください。」
入室を促されて3人は王座から10メド手前で片膝を付き俯いた。
一呼吸置いたのち、王様よりお腹に響く低めの声を掛けられた。
「面をあげよ。」
「「「はっ!!!」」」
「アダンよ息災なによりだ。」
「はっ!、ババロイ様。気にかけてくださいましてありがとうございます。」
「アインは久しいな。今日はお主の子の件と聞いておるが。」
「はっ!、ババロイ様。本日は我が長男の事で参りました。もし宜しければ、他の目が御座いますので内密にお伝えさせて頂ければと…。」
「アイン卿!、王の立場を考えておるのか!?」
「しかし…。」
「ビギーニ、控えよ。」
「はっ、申し訳ございません。」
「うむ。それでは近衛騎士団団長のマースは我が側で控え、ビギーニはその場を動くな。後の者は謁見の間から退がれ。」
「「「「「「「「「はっ!!」」」」」」」」」
「アダン、アインこれで良いな。」
「「はっ!ありがとうございます。」」
近衛騎士団団長のマース・フォン・ダマーレと宰相のビギーニ・フォン・ブルーマーの2人を残して皆が退出すると王様が俺に声を掛けた。
「さて、お主がアルベルトじゃな。」
「はい!、ババロイ様。アルベルト・フォン・ベートと申します。この度は私の為にお時間を頂きまして誠にありがとうございます。」
「ふぉふぉふぉ、アインよ聡明な子じゃの。」
「はっ!、ありがとうございます。」
「して、聡明ななだけではないんじゃろ。」
「はい。この度はアルベルトのステータスの事でご報告に参りました。」
「うむ。アルベルトよステータスプレートを見せて貰えるかの。」
「はい、ステータスプレートオープン!」
ステータスプレートを出現させると、王様から王座まで持ってくる様に言われた。
アインに目配せすると頷かれたので、ゆっくりと立ち上がり王座の前へ進む。
「止まれ。」
王様まであと2歩の所で、マース近衛騎士団団長に止まる様に言われると腰を落として片膝を付いてステータスプレートを掲げた。
王様が受け取られたので一歩退がり待機する。
『なんじゃと!!?』
暫く間があったが、声を掛けられた。
「ア、アルベルトよ、ステータスプレートをしまって良いぞ。」
「はい!」
ステータスプレートを受け取ると、この後も謁見が控えているらしく王様からアーサーを踏まえた上で、改めて話会いの場を設ける事が伝えられた。
謁見も終わり王都での用事が全て済んだのであと数日で王都を発つ事になるアルベルトは帰りの馬車で学園に入学する前にもう一度あいつらと会いたいと思うのだった…。