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異世界渡航記  作者: 旋律
3/5

3話

「え、もう着いたの?」

「みたいだな」

 魔法陣を潜った2人は意外にもあっさりと世界を渡ったことに少し驚きつつ、1つの問題に直面した。

「ていうか、ここどこ?」

「いや、俺に言われてもなぁ」

 周りを見渡してみるとそこは森で、人がいそうな気配は無かった。

「まぁ、こうなる事は予想積みだったしね。さっそく移動しよっか」

「そうだな。とりあえず、森を抜けよう」

 とりあえず移動を始めたが、詩織の様子が少しおかしい事に健斗が気づいた。

「どうした、詩織?そんなにそわそわして」

「えっとね。ここって異世界なんだよね?」

 いきなり変な質問をしてきた詩織に、健斗はもしかすると詩織は後悔しているのかもと思ったが、ここは素直に答える事にする。

「そうだ」

「魔法とか使えるんだよね?」

「ああ」

「私にも使える?」

「たぶんな」

「よし、じゃあさっそく練習しよー!」

「ただ魔法が使いたかっただけかよ」


 そうして魔法の練習をする事になった詩織だが、案外早く魔法を使う事ができた。

「おー!これが魔法かぁ」

 掌の上に燃える火を見て詩織が感嘆する。

「案外早く使えたな」

「そうだね。じゃあ、これを飛ばしてファイヤーボール!とか出来るってことだよね!」

「まぁ、出来るんだろうけど。お前、テンション高いな」

「ファイヤーボール!」

「聞いてねぇし」

 詩織が健斗との返事を聞く前に放った火は木に当たり、消えてしまった。

「案外弱いんだね」

「まだ慣れてないからじゃないか?ちょっと俺も使ってみるか」

 ゴォォ

 そう言って健斗が放った炎は一瞬で1本の木を灰にしてしまった。

「おぉ。健斗すごいね」

「今の俺は魔力の塊だからな。これぐらいは出来るんじゃないか?」

「へぇ。まぁ、それはいいんだけどさ。これ、どうする?」

「・・・うん。俺もそう思ってた」

 健斗が放った炎は他の木に燃え移り、勢いを増していた。

「そうだ!水の魔法を使って消せばいいんだよ!」

「おぉ!その手があったか!それじゃ、さっそくやるぞ」

「うん!」


 そして水を木に掛けていく2人だが

「・・・消える気がしねぇ。どう考えても消すスピードより燃え移るほうが早いんだけど」

「うん」

「よし、逃げるか」

「そうだね」

 そして全力疾走で逃げる放火犯(健斗)と詩織だが、案外早く森を抜けることができた。


「見ろよ詩織。森が燃えてるぜ」

「燃やしたの健斗だけどね」

「で、でもまぁ、当初の目的だった森を抜ける事はできたな」

「燃えちゃったけどね」

「うるせぇな!もう気にするな!どうせどうも出来ない!」

 ジト目で見てくる詩織に逆ギレして移動を開始する健斗。


「ところで、いつまで猫の姿でいるの、健斗?」

「いや、結構気に入っちゃってさぁ」

「へぇ。まぁどうでもいいけどね」

「自分から聞いといてそりゃねぇだろ」

「そんな事より健斗?」

「何だ?」

「さっきの消火で魔法いっぱい使ったから結構上達したと思うんだよね」

「そうだろうな」

「という訳で、もう一度火の魔法を試してみよー!」

「まぁ、この辺には燃えるものもあんまり無いしいいけど」


 そうして魔法の練習をする事10数分

「けっこう威力上がってきたんじゃないか?」

「うーん。でもちょっと地面に跡がつくぐらいなんだよね。もっと威力上がらないかなぁ」

「そうだなぁ。じゃあ、ちょっと圧縮してみたらどうだ?」

「おー!グッドアイデアだよ!」

 そう言って炎を浮かべ圧縮していく詩織。

「結構難しいなぁ」

 そして数分掛けてようやく圧縮し小さくする事に成功した炎を数メートル先にあった岩へと放った。

 バァン

 岩にあたった炎は小さな爆発を起こし、岩を少し削って焦がす事に成功した。

「おぉ、すごい威力だね」

「あぁ、ただちょっと時間が掛かるけどな」

「そうだね。もっと練習して時間短縮をしないとね」

 そして夜になる頃にはかなり時間短縮できるようになり、数秒で圧縮出来るようになったのだった。




「健斗、朝だよ。起きて」

「んー。もう朝か」

「さ、早く出発しようよ」

 そして朝ご飯を食べて、少し休憩した2人は移動を開始した。

「ねぇねぇ。これ見てよ、健斗」

 そう言って詩織は炎を圧縮し出したが、終わるのに一秒も掛からなかった。

「えへへ、すごいでしょ」

「すごい進歩だな。ずっと練習してたのか」

「だって交代で寝てたからずっと暇だったんだもん」

「それもそうだけどさ」

「あ!見て、健斗!あれって何かの国とかじゃない?」

 そう言って指を指す詩織の指の先には大きな城壁らしきものがあった。

「結構遠いな」

「行ってみようよ」

「ま、他に行くとこも無いしな」

 そして例の如く魔法の練習をしながら城壁に向かって移動を開始する2人であった。


 

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