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The ability world  作者: シノ
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2/7

能力審査

高校に入り 学力テストや部活を決めたりと春は色々と忙しい。

しかし 一番楽しみなのは身体測定だろう。

中学を卒業して春休みの内にどれだけ成長したのがわかるからだ。

普通なら何を思い浮かべるだろうか。

小学校から中学まで毎年のようにしてきた身体測定だが 高校は違う。

体重や身長はもとより視力検査や骨密度もやるだろう。

そしてなにより違うのが能力審査である。

高校になると将来のため自分がどんな能力があるのか審査してもらうのだ。

在校生は自分に適した能力を開花させるために日々切磋琢磨している。

俺も例外ではない。

一年生となり今日能力審査があるのだ。

自分に適した能力•••

俺は少しながらも興奮していただろう。

自分には世界と渡り合えるような素晴らしい能力が眠っているのだと小さい頃から親に聞かされてきた。

今日それがどんな能力なのかわかるのだ。

興奮しないわけがないだろう。


同学年の生徒は次々審査してもらっている。

嬉しそうに出てくるものもいれば悲しそうに出てくるものもいる。


次は俺の番だ。


『次の方どうぞ』


呼ばれた! 俺は緊張しながら部屋にはいり能力審査員の前にでた。

『高元(こうもと) 優希(ゆうき)です。よろしくお願いします。』

軽く会釈をして椅子に座った。

胸の高鳴りが止まなかった。


『では 私の目を見てくださいね。そうでないとちゃんとわからないからね。』


俺は必死に目を合わしていたがしばらくすると委員の顔が歪んだ。


俺に不安になった。

今まで笑顔だった委員の顔はまるで行き詰まった名探偵や悪臭でも嗅いだ人のような顔になっている。


不安で仕方が無い。

『あの~ どうしたんですか?』


俺は不安を和らげるために聞いたが返事がない。

それどころか横にいた補佐の人に話しかけているではないか。

さすがの俺も気が気でない。


委員はこちらに向いた 。

空気が重い。それは尋常ではなく気が滅入るほどである。


『すまないが、君の能力は••••』


俺の能力は何なのだ早くいってくれと言わんばかり前のめりになったいた。


『君の能力は••••ない』


『は?』


俺には能力がない? そんなわけがない!

この委員はおかしいのではないかと思った。

しかしこの委員は今まで幾千という人を見てその能力を的中させてきた。


『能力がないってどういうことですか!?』


俺は焦りと不安で嫌な汗をかいていた。

それは心拍数が上がると共に出てくる。

今や全身に汗をかいていた。


『君には能力がみえないのだよ。つまり君には能力がないということになる。この意味がわかるかい?』


その言葉は子供が聞いてもわかるようなものだ。

能力がない人ははこの世界に要らない不必要な人なのだ。

能力の持たない人は能力の持ってる人と差が生まれてしまう。

能力のある人からみれば下級 つまり存在価値のない人になる。

そして、いじめられても何も言えないのだ。

何の権力も持たず何をされても仕方が無いことになってしまう。


俺は期待していたのと全く別の回答がきたことやこれからの人生を考えると意識が飛ぶかと思ったが倒れるわけにはいかない。


俺は重たい足取りで部屋をでた。

これからどうなってしまうのだろうか。

これから何を目標に生きていけばいいのだろうか。

俺の目には絶望しかなかった。




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