覇王の遺産
「で、エミルは何をしにきたんだ?」
「あれ?さっきゼラードに聞いてたじゃないですか。聞きたいんじゃないんですか?『覇王の遺産』のこと。」
「…!教えてくれ、エミル。それは一体何なんだ?俺には全く心あたりがないんだが…。」
「でしょうね。だって、遺産とはイクスさんが封印されてからできたものなんですから。」
「どういうことなの?話が見えないわ。」
「…遺産とは何なのかというよりも、先に2人が封印されてからのことを話した方が良さそうですね。…まずイクスさんが覇王と呼ぶようになったのはパンドラが原因です。イクスさんが封印されたあと、パンドラの後継者決めが行われたんですが、あまりにイクスさんが異常すぎて誰一人初代を越えられないじゃないかという世論になったんですよね。そして、あまりに強過ぎ、パンドラの創設というカリスマ性もあいまっていつしか『覇王』と言われるようになったんですよね。まあ、パンドラの創設といっても10人にも満たなかったですよね。」
ーとりあえず、俺に覇王なんていうすごく恥ずかしい厨ニチックな呼び名がある経緯は理解した。けど…
「あれ?それが遺産とどう関係があるの?」
「そこからは、イシス様に聞いてください。…聞こえてるんでしょう、イシス様?」
「…ん?ええ、聞いてたわよ。遺産の話だっけ?あなたを封印した後私達は丁度1000年後を目処にあなたの修復をしてたんだけど、あの戦いでルシファーに楔を打たれてたらしくてね。完成間近にあなたがこの世界に落ちてしまったのよ。その時にバラバラになったのが、『あなた自身』、『月読』、『あなたが持っていた膨大な量の魔力』よ。探そうにも1000年前より、天界での規制が厳しくってね。早い話が人間に見つけさせて、一つにまとめちゃえば勝手に復活するからいいやって思ってたのよね。まあ、既に月読とあなた自身は固まってたみたいだけど。」
ーなんかいろいろツッコミたいところはあるが…
「相変わらず、雑いな。てか、完成だの目処だの俺は工事現場の建造物か!!」
「まあ、結果的に集まってるんだからいいんじゃない?というわけで、あと一つも自分で集めてね。」
そういうとイシスの声は聞こえなくなった。
「とりあえず、遺産ってのは俺の持っていたもの、または俺自身のパーツということか。なんか腹立つけど、自分そのものだし、自分で探すしかないんだろうな…。」
とイクスはため息をついた。
「そうなると、ゼラードに協力するしかないね。」
「ああ、魔力を戻すまでだけどな。」
一週間ほど、王宮…いや、本部か?に滞在してわかったのは、広間が本部として使われている、というくらいだ。他はそれぞれ、物資を置いていたり、各人の自室となっていた。
その間にエミルに模擬戦を挑まれた。イシスに習ったって言ってたけど、すごく強くなってた。危なかった。
イクスとオウカは2人部屋を用意された。用意したメンバーには恋人同士に見えたのかな?最後までエミルは反対していたが。
そして、だいたい一週間たった頃の朝、エアが声をかけてきた。
「おはよう、イクスさん。ゼラード隊長が呼んでたよ。」
「ああ、わかった。すぐに行く。」
広間に行くと、オウカだけでなく、トウヤと、リオンもいた。
「なんだ、ゼラード?朝から俺たちを呼び出して。」
「遺産の場所がかなり絞れてきてな。西軍、東軍も水面下で動き出してるらしい。俺たちも出遅れるわけにはいかん。」
「それで、俺たちに捜索して来い…と?」
「それでもいいんだがな。2人にはこの時代の戦い方を学んでもらう。イクスには魔力がないようだしな。というわけで、トウヤ、リオン。お前らが教えてやれ。」
「…は?」
その瞬間、トウヤが固まって動かなくなった。
テストが終わったのでまた、頑張って投稿していこうと思います。よろしくお願いします。




