新しい武器
「えっと、というわけで俺が教えることになったんだ、あのイクスさんに。」
その日の晩、リオンはトウヤの部屋に遊びにきていた。
「それは…なんていうか…大変だね、トウヤ。」
「俺が教えてあげれることなんてあるのかなぁ。絶対俺より強えじゃん。」
「トウヤにはトウヤのいいところがあるよ。だってトウヤ『銃』の扱いだけはすごいんだし。」
「でも、魔力がほとんど無いし…」
「別にいいじゃない。何か一つでも秀でてるんだから。」
「じゃあ、よろしくトウヤ。」
「何からやればいいかなあ。資料を見る限り、イクスさんのいた時代と俺たちの時代では戦い方がかなり違うみたいなんだ。」
「…というと?」
「イクスさんの時代では、剣と魔法が主流だったでしょ?でも、俺たちの時代にはこういうのがあるんだ、珍しいけどね。」
ゴトッ
そう言うと、トウヤは黒く冷たい、命を奪う為の鉄の塊を机においた。
「へぇ、『銃』じゃないか。」.
「っ!どうして知ってるの!?」
「…ちょっとね。」
オウカは苦笑いを浮かべた。確かに、前の世界でも銃という物は知っていた。しかし、それを平然と子供が持っているという事実に戸惑いを隠せないのだ。前の世界での海の向こうのあの大国もそうだったのだろうか?
「2人とも知ってるなら使えるよね?」
「「え?」」
ーあ、声が揃った。
「じゃあ、外で撃ってみてよ。」
外に出ると木で作った的が複数用意してあった。リオンがやったのだろうか?横にいるし…。
「じゃあ、的はあれで。」
イクスはトウヤが指をさしたほうに銃を向けた。
ドンッ
銃弾は的のど真ん中を貫いた。
「…じゃあ、次はあれとあれで。」
ドンッ、ドンッ
次々にトウヤが的を指定していく。イクスはそれを片っ端から撃ち抜いていった。
「……え?」
トウヤが唖然としていた。ま、それが普通の反応だよな、とほくそ笑むイクスだった。
イクスは全武器使用可のスキルがあったので、すぐに扱いをマスターした。しかし、本人としては剣がいいらしく結局銃は補助という事になった。
オウカもかなり悩んだ結果、やっぱり剣で戦う事にした。
「イクスさんの銃はゼラード隊長が指示して作った特注品らしいんだ。隊長は隠された機能があるって言ってたけど教えてくれないんだ。」
「まあ、やつなりの考えがあるんだろう。」
それから、作戦開始までの一週間はイクスは剣の扱いには長けてる…というか対等な相手がいないので、したがってすごく暇だったので、ひたすら銃を練習していた。
一週間後、
「銃には慣れたか、イクス?」
ゼラードは本部でニヤニヤしながらイクスに問いかけた。
「だいたいは察してるんだろ?なら言うなよ…。てか、はやく遺産の在り処を教えろ。この銃をフルに使う為にもな。」
イクスも笑いを含みながら返した。
「ほぅ、それの機能に気付いてたのか。…遺産の在り処を教えてやる。早く魔力をもどしてこい、イクスならこれだけ言えばわかるだろう?…『エウテルペ』だ。」
「っ!どこまで知ってるんだ!?」
「さあな。一つだけ教えてやる。俺は知ってるんじゃない、わかるんだ。」
「…?」
「わからんならいい。たったと2人でいってこい。」
その後準備をしてオウカと2人で出発しようかという矢先、
「イクスさん!待って!!」
「…どうした、トウヤ?ネームレスを守るために戦うんじゃなかったのか?」
「ゼラード隊長が…これを渡せって。」
トウヤが差し出したのは、もう一丁の銃だった。
「あと、これは伝言だって。『2丁拳銃の方が使いやすいんじゃないか?』だそうだ。」
「…じゃあ、いってくるわ。」
「俺は絶対に強くなるから、イクスさんみたいに。」
その言葉には、かなり力が入ってるように思えた。
また、更新が遅れてしまいました。申し訳ないです。次話から現パンドラの話でも書こうと思います。




