特撮ヒーローの敵幹部は怪人が可愛い男の娘ならヒーロー達に許されるかもと思い。可愛い男の娘怪人を作る小説を書いて下さい!(2)
続きを書いて下さい!
ダークネビュラ本部は、かつてない混乱に包まれていた。
モニターにはキュアリスの映像が映っている。
街の中心で、敵であるはずのヒーローたちと並んで、なぜか迷子の子どもを保護している姿。
「……なぜだ」 幹部の声が震えている。
「なぜ怪人がヒーロー側の活動をしている!!」
オペレーターが恐る恐る報告する。
「現場判断で“戦闘より人命救助優先”と……」
「優先するな!!」
一方その頃、現場。
レッドブレイバーは腕を組みながら頭を抱えていた。
「お前、本当に怪人か?」 「一応そうらしいけど……」
キュアリスは、迷子の手をそっと握ったまま首をかしげる。
「でも、この子泣いてたし……放っておけないよね?」
子どもはすでに懐いていた。
「おにいちゃん、いい人!」 「いや敵なんだけど!?」 「敵ってなに?」 「そこから説明かよ!!」
レッドブレイバーの精神は限界に近かった。
その夜。
ダークネビュラはついに最終決断を下す。
「……回収する」
幹部の声は静かだったが、逆にそれが恐ろしい。
「キュアリスは失敗作だ。戦意がなさすぎる」
「しかし……戦闘能力は高いままです」 「だが使えない兵器に意味はない」
そして、特殊部隊が動き出した。
翌日。
キュアリスは街外れの公園にいた。
夕暮れのベンチに座り、静かに空を見ている。
「……やっぱり、戦うのは苦手だな」
その時。
空気が変わった。
黒い転送ゲートが開き、ダークネビュラ回収部隊が現れる。
「対象確認。キュアリス、確保する」
キュアリスはゆっくり立ち上がった。
「やっぱり、戻らないとダメ?」
「命令だ」
沈黙。
その瞬間、遠くから声が飛ぶ。
「待て!!」
レッドブレイバーだった。
息を切らしながら駆け込んでくる。
「そいつは……まだ戦ってない!」
「だが怪人だ」
「関係ない!!」
その言葉に、全員が一瞬止まる。
レッドブレイバーはキュアリスを見た。
「お前は……誰かを守ろうとしてた。それは敵のやることじゃない」
キュアリスは少しだけ目を伏せる。
「でも、僕は作られた存在だから……」
「だったら選べ」
短い言葉だった。
「怪人として生きるか、自分として生きるか」
風が吹いた。
キュアリスはゆっくり顔を上げる。
その瞳に、初めて“迷いではない意志”が宿る。
「……僕は」
一瞬の静寂。
そして――
「誰かを傷つけるためには、もう戻りたくない」
その言葉と同時に、キュアリスの周囲のエネルギーが揺らいだ。
ダークネビュラの部隊が動揺する。
「脱走反応!?」 「制御コードが効かない!」
レッドブレイバーが剣を下ろした。
「……なら、敵じゃないな」
その日。
ダークネビュラは「最大戦力の喪失」を確認した。
だが街では奇妙な噂が広がる。
“可愛い男の娘の怪人が、ヒーローと一緒にいるらしい”
“戦わずに事件を止めてるらしい”
“むしろ一番平和を作ってるのでは?”
そしてキュアリスは、小さく笑った。
「僕、たぶん怪人失格だね」
レッドブレイバーは肩をすくめる。
「いいんじゃねぇの、それ」
少し間を置いて続ける。
「この街には、そういう失格が一番必要かもしれない」
夕暮れの街に、二つの影が並んで伸びていく。
かつて“兵器として作られた可愛さ”は、今や戦いを終わらせる方向へと歩き始めていた。




