主人公の可愛い男の娘がガンプラを作って遊ぶ小説を書いて下さい!
放課後の教室は、夕陽でゆっくりとオレンジ色に染まっていた。
机の端に座っているのは、小柄で、柔らかい雰囲気の少年——いや、「可愛い男の娘」と言ったほうがしっくりくるかもしれない。名前はユウ。
制服のリボンを少し緩めながら、ユウは机の下のカバンから大事そうに箱を取り出した。
「ふふ……今日はこれ」
箱には、機動戦士ガンダムの人気機体のプラモデル——いわゆるガンプラが描かれている。
ユウは目を輝かせながら、そっと箱を開けた。
「やっぱり新しいキットって、開ける瞬間が一番わくわくするんだよね」
ランナーと呼ばれるプラスチックの枠を取り出すと、机の上に静かに並べていく。カチッ、カチッと小さな音が響くたびに、教室の静けさが少しだけ賑やかになる気がした。
工具ケースを開けると、ニッパー、ヤスリ、ピンセットがきちんと整列している。
「今日はね、ちょっと丁寧に作る日」
誰に言うでもなく、ユウはそう呟いた。
最初の一手は、ニッパーでパーツを切り離すこと。慎重に、慎重に。
パチン。
小さな音とともに、パーツがランナーから離れる。
「うん、きれい」
思わず笑みがこぼれる。こういう瞬間が好きだった。余計なことを考えず、ただ“ものを作る”ことに集中できる時間。
少しだけ風が窓から入り、カーテンが揺れた。
夕陽がガラス越しに差し込み、机の上の白いプラスチックを金色に染めていく。
ユウは夢中になっていた。
ヤスリでゲート跡を整え、パーツを仮組みし、少しずつ形が見えてくるたびに、小さく息を弾ませる。
「ロボットってさ……こうやって、自分の手で生まれてくる感じがいいんだよね」
誰もいないはずの教室に、そんな独り言が落ちる。
だがそのとき——
「へぇ、意外」
背後から声がした。
ユウはびくりと肩を揺らし、振り返る。
そこに立っていたのは、クラスメイトのリクだった。
「そんな真剣な顔してるユウ、初めて見たかも」
「ちょ、ちょっと見ないでよ!」
慌てて手元を隠すユウ。しかしリクは気にした様子もなく、机の前にしゃがみ込む。
「ガンプラか。いいじゃん。これって……あの機動戦士ガンダムのやつだろ?」
「そ、そうだけど……」
「俺もちょっと興味あるかも」
その一言に、ユウの動きが止まった。
しばらくして、ユウは小さくため息をつき、少しだけ顔を赤くしながら言う。
「じゃあ……少しだけ、教えてあげる」
リクは嬉しそうに笑った。
「助かる。先生」
「先生って言うな!」
夕陽はさらに傾き、教室は少しずつ影に包まれていく。
その中で、二人の小さなプラモデル作りが、静かに始まった。
カチリ。
また一つ、パーツがはまる音がした。




