第七話 仲間との初夜で特別な関係になる戯け者エルフちゃん
彼女にとって、実のベッドで寝るのは久方ぶりだろう。エルフな訳であって、事実上人生初めてであった。
通報されて以来、エルフ族とまた異なる方の野宿生活を味わっていた、馬や牛を寝床相手の経験も得た。私物。自分の為のベッド。自分だけのベッド。あー 文明とはなんて素晴らしい物かしら。
そう思いながら、寝付けるに失敗連敗をする彼女。緊張と言うよりももっと根本的な落ち度であった、それは、アツイ。暑苦しくて寝付けれない。
いつもは隙間風から屋根すらない状況に耐えながら寝ていた癖で、寝る時こそ厚着でした彼女。
やっとの事の気付き、肌色に染まり、服を床本に置いてゆく。
「おぉーーい 何いい子ぶって早寝してんのよっ」発言の持ち主はクーニャと気付き直後
「ぐほーーっ」 お腹あたりに級な圧迫を覚える
「クーニャ、いきなり人の上に飛び付くなんて」
「へーきへーき、俺見たいな軽くて可憐な女子に耐えれないんだったら、シグレに連れてもらえんだろ?」
「あら、もしかして、焼けているの?炊いているの?かわいい奴め」
「こ 呼吸!エフィーヌ殿た す け」
「くしっしっしー 潰れたカエルみたいな声しやがって」
「こらこらクーニャ、貴方が潰してるんでしょう?呼吸させてあげなよ」
「はいはい、そのかわりには…ほらお土産だっ」
腹部がやっと開放されたと思って安心したエゥリィーナに、生暖かくてじっとりした感触が広がっていた。
「あーあぁ またやっちゃったぁ。怒られても、あたしはもう知らないよ? もう寝るから静かにしてな」
何が起こっているかはさっぱり把握しきれないエゥリィーナの鼻に怪しげなニオイも漂う。その間、自分の上に跨っていたクーニャが嬉しそうに
「ぷふぁーっ」間をおいて自慢げに「これで上下関係ははっきりしたな」高級が少し荒くなっていた
何が起こっていたかをやっと気付き、恥ずかしさや困惑に縛られ、反応する余裕ないまま、頬に赤が登っていた。
「もう遅いから、シグレの足手まといにならない為にじっくり寝な? …あと、これも没収な」
と言いながら、服をリボンにするくーにゃ。
ベッドから出る服もなし、体を洗いに行っても結局ベッドに戻らないと寝れない。このまま状況を受け入れるしかない。大丈夫、今までにも似たようなのはあったのじゃないか。こんなので挫けるの自分じゃない。体をベッドに委ねるだけだ、そうするとこの状況でも楽になれる。
心を解していたら、彼女の体まで解していく。
涙腺から少し漏れ出す。
今日には、悲しい事もあったのだが、見返すと、街に来た時と大違いだ。仲間もできて居場所もある。嬉しい。今夜は明日の事を心配する必要もなく、やっと楽に眠れるのだ。
そうやって瞼を閉じポカポカにウトウトすると生暖かいのが二度も広まる。