王都にて・・・
クエストの手続きを済ませた俺は、
明朝に、神代の森へと向かった、
フローラたちも、
今日、街へと戻る予定なのだが、
森から街への道は、一本道だから行き違いになる恐れは無いだろう。
案の定、みんなと森への道の途中で会う事が出来た。
「あれ、ライ?
なんで、こんな所に居るの。」
「ギルドの方に、王都のルクアさまから緊急依頼が来たんだ、
王様がゲートを使っても良いとの事だから、
神代の森に逆戻りだな。」
「そうですの、緊急依頼とは気になりますわ。」
「そうだな、なるべく急ぐとするか。」
「そう言えば、ライ、ゴブリン村の村長が会いたがっていたわよ。」
そう言えば、
俺が知らない内にゴブリン村が、
フローラたちに殲滅されては困るから紹介したんだっけ。
「3世が?何の用かな?」
「何か、『子供が100人ぐらい生まれたから』って言ってたわよ。」
「よし!何も、聞かなかった事にしよう。」
俺たちは、
まず、神代の森にある宿泊所に寄って、
旅の準備を整える事とする、
森に泊まり込んでのレベリングが多くなった所為で、
宿泊所には多くの着替え等の生活用品が置いてあるのだ。
(いっその事、ここに風呂も作ってしまうか・・・)
「みんな、準備は良いか?」
「良いですわ。」
「オッケ~。」
「良い。」
「そんじゃ行くか。」
俺たちは王都行きのワープゲートを潜った。
ゲートの出口は、ちゃんと普通の倉庫の様な部屋へ移してあった。
(王様、ちゃんと移してくれたんだな。)
部屋から、顔を出して見ると衛兵が立っている。
「あの~、冒険者のライとパーティーの者なんですけど・・・」
「はい、王より承っております。
しかし、本当にこちらから、お見えになったんですね、
王に命じられた時は、
冗談を仰られているのかと思いました。」
「ええ、特殊な魔導具で移動していますから。」
「そうなんですか、
では、ご会談のお部屋へご案内しますから、
こちらにお出で下さい。」
衛兵さんの案内で、
しばらく歩いた場所にある応接間のような部屋へ通される。
「こちらで、お待ちください、
今、王と姫君をお連れ致します。」
「分かりました。」
応接間の壁には、
前王と一目で分かる肖像画が掛かっている、
さすがに兄弟だけあって、タナーカの街の前領主にソックリだ。
その肖像画をジッと見ていたパサラちゃんが、
絵を指差しながら呟いた。
「3世。」
「シ~ッ!パサラちゃん、
それは言ってはいけない、お約束なんだ。」
「分かった。」
しばらく、皆と話ながら待っていると、
王様とルクア様がやってきた。
「おお、久しぶりであるなライよ。」
「え?王様、久し振りって、
この前「お宝袋。」・・・そうでした、お久し振りです。」
「うむ、よろしい、他の者も変わりないか。」
「はい、変わりありませんわ。」
「アタイも元気です。」
「元気。」
「その娘がラメール国で保護したと言う娘か、
優秀な魔法士らしいの、
ライたちとの生活は楽しいか?」
「楽しい。」
「うむ、そうか、
子供の内はたくさん楽しい思いをするが良いぞ、
さすれば心が養われて豊かな人生が送れるからな。」
王様が、孫を見つめる爺さんのような眼差しでパサラちゃんを見ている。
(パサラちゃんは、やらないからな・・・)
「みなさん、お久し振りです。」
「ルクアさま、ご無沙汰してます。」
「ルクア、久しぶりですわ。」
「こんにちは~。」
「うん。」
「ルクアさま、今回の緊急依頼と言うのは?」
「うむ、まずは私から話すとしよう。
これは我が国の密偵から送られて来た話だから、
一般には知られていない情報なのだが、
ザドス王国でクーデターが起こって政権交代が成ったようなのだ。」
「まさか!ザドス王が倒されるなんて考えられませんわ!?」
「ザドス王って、そんなに強いのか?」
「ええ、元S級冒険者の方なのですが、
ご自分の力によってザドス王国を纏め上げた方ですわ。」
「ザドス王は戦っておらん。」
「・・・と言うと?」
「王は不治の病に伏して、その間に側近の者が反乱を起こしたのだ。」
「えっ!?それって・・・」
「うむ、我が国の騒動と非常に似ておるな、
我が国の場合は、ライたちの活躍で事無きを得る事が出来たが、
ただの偶然かも知れぬが気になるのだ・・・」
「それで、エルザは無事なんですの?」
「エルザって、
フローラとルクアさまとの3人で、
パーティーを組んでいた人だっけ?」
「ええ、そうですわ、
エルザは王位継承権を放棄して冒険者になったのですが、
ザドス王国の第3王女ですの。」
「「ええっ!?ザドス王国の王女さま!?」」




