まだ街にて・・・
最近の俺たちは、
相変わらず神代の森を中心にしてレベリングをしている。
レベルが高い魔獣を効率よく討伐しているので、
リーナはB級冒険者へ、パサラちゃんはD級冒険者になったんだが、
俺は、未だにA級のままだった。
前にフローラが言っていたが、
やはり、S級に上がるのは容易ではないようだ。
先日、みんなでメタルモンキーの討伐に行ったのだが、
パサラちゃんに任せて見たところ、
『煉獄』の魔法では、
謎空間にメタルモンキーが沈んでしまうので素材を回収する事が出来なくて、
『吸魂』の魔法の方は、
魔法耐性が強いメタルモンキーだけあってレジストされてしまった。
最近、パサラちゃんの魔法が強力過ぎて、
俺の存在意義が危なくなっていたので、
俺じゃないと狩れないメタルモンキーやメタルドラゴンがいてホッとした。
(危うく作品タイトルが、
『暗黒魔導パサラちゃん』に変るところだったな・・・)
今日の俺は、神代の森での狩りを終えて、
タナーカの街へと一足先に帰って来ている、
他の3人は、
エルフの里や、魔族島の爺やさんの所に寄ってから帰るとの事だった。
何故、俺が先に街へと帰ったかと言うと、
それは、風呂に入りたかったからである、
こっちの人たちは、井戸で水浴びが一般的らしいのだが、
日本から来た俺は浴槽でゆったりしないと気が済まないからだ、
街に着いたら速攻で公衆浴場へ飛び込んだ。
ひとっ風呂浴びた後で、
喉が渇いた俺は、『馬の骨亭』の食堂でエールを注文した。
この世界のエールは常温なので俺の口には合わなくて、
飲んでいなかったのだが、
フローラから、風魔法と水魔法を組み合わせた冷却魔法を教わったので、
さっそく注文してみたのだ。
「お待ちどうさまエールです。」
「おお、サンキュー!」
(さっそく冷やしてみるか・・・)
コップに薄っすらと霜が付いて来たぐらいで止めて、
一口あおってみる。
「うお~っ!美味ぇ~!」
「すいません、冒険者のライさまですか?」
「ああ~ん、だったらどうだってんで~!」
「あの~、もしかして一口で酔われてます?」
「ぶわ~か言ってんじゃねえぞ、俺のどこが酔ってるってんで~!」
「私は冒険者ギルドから参ったのですが、
ライ様のパーティーに緊急の指名依頼が来ているのですが・・・」
「ああ~ん?仕事なんてしていられるかってんで~!」
「王都のルクレツェア女王様よりの依頼なんですが・・・」
「はい、何でしょう。」
「あれ?酔いは醒められたんですか?」
「はっはっはっ、可笑しな事を言う人だな、
この俺が酒に酔うなんてア・リ・エ・ナ・イですよ。」
「そうですか、それなら良いのですが、
クエストの詳細は、ギルドにて受付のロザリアが説明いたしますので、
御足労願えますか?」
「ええ、今から装備を整えたら伺います。」
俺は、外出着に着替えてから、
防具類を装備して冒険者ギルドへと行ってみた。
「こんばんは~。」
「ああ、待ってたわライくん。」
「ルクア様から緊急指名依頼だって?」
「ええ、至急に王都まで来て欲しいとの事なのよ、
でも、何故か今回は龍籠が来ていないのよね、
その代わりに『謎の伝言』を伝えるように指示されてるわ。」
「その伝言ってのは、なんて?」
「それが、『鏡は移動したから、使って良い。』ってだけなんですよ。」
「ああ、それは王様からだな。」
「今ので分かるんですか?」
「ああ、秘密の暗号みたいなもんだな。」
「どういう意味なんですか?」
「それは、『ロザリアのスリーサイズを聞き出せ。』だ。」
「はいはい、話せないんですね。」
「そう言う事、ここだけの話だけど、
ハッキリ言って国家機密だからな。」
「またまた~・・・・・ホントなんですか!?」
俺が真顔をしていたので、重要度に気付いたようだ。
「この秘密を知ったら、
一生国の監視下に置かれるけど、ロザリア聞きたい?」
「いえ、遠慮するわ。」
「じゃ、フローラたちと合流して王都に向かうから、
クエスト受領の手続きを頼めるか。」
「分かったわ。」




