山にて・・・
そこには巨大な水晶のような物の中に入った、
見た感じ10歳ぐらいの少女が居た。
「なんで、こんな少女が封印されてるんだ・・・?」
水晶の前には、前に龍神島で見たような石版があって、
表面に何か文字が書かれている。
「え~と、なになに、『何人も、この封印を解くべからず。』
って、こんなダチョウなフリされたら絶対解くじゃん!
この封印したヤツわかってねぇな~、
こういう時は『封印解いちゃいなYO!』とか書いとけば良いのに、
まあ、俺はどちらにしても封印解いちゃうから意味無いけどね!
と言う訳で、電撃パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!・・・・・・・・」
大体30発ぐらいで、封印にピシピシと罅が入ってきて、
ガラガラと崩れた。
俺は女の子を抱き上げて声を掛けてみるとした。
「おい、起きろ、朝だよ~、
今日のゴハンはご馳走よ~、火事だ~、
石焼いも~、竹屋~竿竹~。」
「う、う~ん、誰?」
女の子が目を覚ました。
「俺は冒険者のライ、封印されていた君を解放したんだ、
君は、自分の名前とか分かるか?」
「パサラ。」
「パサラちゃんかカワイイ名前だね、
それで、パサラちゃんは何で封印されていたんだ?」
「魔王の娘。」
「魔王の娘!?
魔王って、勇者イチローに倒された?」
パサラちゃんはコクリと頷いた。
パサラちゃんが話すバラバラの単語を繋いで解読した結果、
パサラちゃんは、父親である魔王が倒されたあと、
父親の罪は子供には関係無いと言う、
勇者イチローによって保護されていたのだが、
イチローが勇者の国へと帰ったあとに、
当時の年齢で既に、
父親の魔王を魔力で上回っていたパサラちゃんを恐れた、
時の権力者たちによって封印されたとの事だった。
(権力者たちが恐れるのも分かるけど、
そこは、上手く育てる方向で行って欲しかったな。)
パサラちゃんは、どこにも行く宛てが無いだろうと思い、
「俺と一緒に来るか?」と聞くと、
コクリと頷いたので、一緒に連れ帰る事にした。
ちなみに、パサラちゃんは火魔法の上位である炎魔導と、
黒魔法の上位である暗黒魔導を使えるとの事で、
なかなかのハイスペック少女だった。
学院に戻ってから、
パーティー仲間のフローラとリーナには、
パサラちゃんの正体を話す事にした。
どうしようか迷ったのだが、
ルクア様には、パサラちゃんの正体が周囲にバレた場合、
何か迷惑が掛かる恐れがあるので、
捨てられていたパサラちゃんを保護したと言って置いた。
「2人に聞くが、パサラちゃんは魔王の娘だけど、
パーティーに入れてもいいか?」
「アタイも、勇者イチローと同感で、
パサラちゃんには責任無いと思うから、全然オッケーだよ。」
「私も同感ですわ、優秀な仲間が増えるのは大歓迎ですわ。」
「良し!じゃあ、パサラちゃんは新メンバーで決定だな。」
「やっと、アタイより新米が入ってきたね、
よろしくねパサラちゃん、
アタイの事は、リーナお姉ちゃんて呼んでな。」
「よろしく、リーナ姉ぇ。」
「よろしくですわパサラ、私はフローラですわ。」
「よろしく、フローラ姉ぇ。」
ルクア様が予定の講習を終えて、学院を後にする日が訪れた。
「ライさん、本当にパサラちゃんを連れて行くんですか?」
「ええ、親の行方が分からないし、
パサラちゃんも俺たちと行きたいって言ってるんで。」
「ライと行く。」
「そう、そういう事なら仕方が無いですね。」
「パサラちゃん、アタイたちと馬車の中に乗るかい?」
「ライと前に乗る。」
パサラちゃんが封印されてから約300年経っているため、
見る物全てが面白いようで、
ライと御者台に乗って行くようだ。
「「「それじゃ、エクリプスさん、お世話になりました。」」」
「兄さん、また顔をだしますわ。」
「ええ、ルクアさん、ありがとうございました。
みなさんも、また遊びに来て下さい。
それからフローラ、里のみんなも、
もう気にして無いだろうから、そのうち帰ってみろよ。」
「ええ、分かりましたわ。」
そして馬車は、タナーカの街を目指し出発した。




