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人生はいつも突然に。

「門を全て閉じよ、見張り台の交代は二時間毎だ。1の門は弓矢や魔法の攻撃に注意しろ。」


国境の町が占拠された報告があってすぐの村長の言葉だ。

さすがにギルド長はこの事には手を出せない。

最初から準備だけってのと。

今、村に居る冒険者には避難所までのルートの護衛と避難所の護衛を依頼している。

あくまで戦争に加担はさせない。

志願者のみ加担は許されてるが、残っているほとんどがこの村が好きな奴らだ。

全員志願しようとした。

そうすると避難所の護衛が足りなくなるから。

子供の居ない者は戦争への参加はさせないことになった。


特に1の門は老い先短いお歴々が率先して就いた。


「我らの村には手を出させん。」


「一応工事の時に壁に土を塗り燃えにくくしてあります。

上から降るの矢にも対応出来るよう屋根もつけてあります。

これから、2の門、3の門と同じ加工を施しますので頑張ってください。」


俺は出来るだけ安心できるような門作りをした。

まず、木と土とセラミック、それにガラスと何層にも壁を造った。

木は一番手前。セラミックの間に土を、セラミックも土だが。焼いて硬くしてあるからそれなりに丈夫だ。

ガラスを壁にってのは馬鹿な考えだと思うけど割れて散らばれば、邪魔だし。ガラスが降って来て人が死ぬこともある。

割れると危険なものだ。

1の門には金属の壁にはしていない。

この門では困惑してもらう。石の壁でもなくよくわからない物で守られてる門に。

見張り台は門全部を見渡せるようになっているし斥候が忍び込めないように1から5の門までは壁で繋がっていて。さらに外堀、壁、中に入れば内堀になっている。

壁も朝顔養生のような見た目のネズミ返しがついていて、簡単に登れないようにしている。


「ヨーセンも無理はするな。」


「わかっています。食料も収納袋に入ってますから。頑張ってください。」


「助かる。」


俺は1の門に向かうお歴々に言葉をかけた。

俺は2の門でお歴々たちと別れて、作業を始めた。


2の門にも堀はあるそして内堀も塀を全部金属製にした。

そこに人工溜池を作った。

2の門から3の門までずっと続く池を。

2の門の見張り台に行くには3の門の上から直接行く形にした。

村はこれで完全に孤立した。

1の門の人員は逃げる時、2の門の人間からロープを受け取り見張り台に上がる形になる。

3の門も4の門も5の門もそれぞれ仕掛けをした。

村に元々ある外壁強化している頃、1の門からの伝令が村の本部にまで届いた。


「本日、未明に斥候らしき影を数名確認したとのことです。」


「わかった。皆の者、聞いたな、フルネイス王国がこんな小さな村に来るのはおかしい。

つまり奴らは領土拡大のため、この村を拠点にするために来るのだ。

我らが負ければ帝国が落ちると思え。」


まあそんなことにはならないと思うが、村長は皆に活を入れた。


「「「「おおおおぉぉぉぉぅ。」」」」


地鳴りみたいな。声が響いた。

そんなに人数が居るわけでもないのにすごいな。


俺はこの日、糸の魔法を使い。

湖に居る大物達を2の門と3の門の間の溜池に放り込んだ。


「準備、よしっと、この池に死んでも入りたくないな。」


その足で1の門に向かった。


「どうですか?」


1の門の見張り台に声を掛けた。


「ヨーセンどうして来たんだ。」


「俺は魔法で空中歩行が出来ますから。塀など関係なく来れるので、いつでも村に帰れますから。」


「そうか、だがここにはもう、すぐにでも兵が来る。帰るんじゃ。」


「俺も手伝いますよ。俺はそのためにこの見張り台とか作ったんですから。

便利でしょう。出来るだけ透明度の高い石を使ったこの覗き穴。」


「確かに良く見える。それに矢が当たっても大丈夫なのだろう?

昨日射掛けられたが問題なかった。」


「それは良かった。強度はガーズリーの皮膚を貫けないなら大丈夫でしょう。

それ以上の威力の矢にはちょっと無理かもしれません。」


「わかりやすいな。だがここに居るものは冒険者じゃないのでな。

その腕がどのくらいなのかわからん。」


「弓矢でガーズリーが貫けたらシルバーランクの冒険者並ですね。

兵士で考えても一流と見ていいでしょうね。」


「そんな奴が居ないことを祈ろう。」


「そうですね。」


「俺はすこし森に行きます。」


「危ないと言っただろうが。」


「森や街道に獣の血を撒きます。さっき村の近くで狩ってきました。

もちろん空中から撒くので大丈夫です。

風の壁で矢も通しません。」


「そうか、気をつけろよ。」


「はい。」


俺は言ったほど安全なことをする気はなかった。

避難所までに居た全ての獣を国境の町に生きたまま放つのが本当の目的だ。

魔物はアンの魔法を参考に氷漬けにして持ってきた。

獣は糸の魔法でまとめてある。


街を完全に制圧するのには時間が掛かる。

その間に、斥候を送ったのだろう。

まだ敵勢力は町に居るはずだ。


村の開戦より先に俺は俺の戦を始める。

森を抜け町を見た。

町は燃えカスや崩れた外壁。大体の制圧は終わった後なのだろう。


町の中はかつて見たフルネイスの兵装とあまち変わらない者たちが歩いていた。

俺は何処に生まれ変わっても。攻められる側に居ることを認識する。


これが地獄と言うべきなのかはまだわからないが。

少なくともこの町は地獄と化す。

俺の無慈悲な落し物によって。


「すまない。」


俺は獣達を壁の中に放った。

続いて、魔物を氷で覆ったまま。

砲弾のように落としていった。


「うわぁぁぁぁ」


「きゃ~~~」


「くそ、なんなんだ。」


一般人も兵士も全員逃げ惑う。

この世界に人間は強い。

戦い、逃げ惑う。諦めるものが居ない。


「ほんとうにすまない。村を守るためだ。」


先ほどから口にするのは謝罪だ。

謝罪の言葉しか出てこなかった。


アンの平穏

村の平穏

死霊王の封印


この3つのために俺は命を賭けている。

村に近づけば近づくほど人の死が死霊王に影響を与えるかもしれない。

ここで全て叩く。

国境の町の上空で決意を新たに固めた。


「面白いな。これを私の手柄にしよう。」


いきなり後ろから聞こえた声に、反応しようとした時、俺の肉体の死を感じた。

異世界で俺は生きていく、もよろしくお願いします


聖王記ってシリーズにしてます。

聖王国周辺の話を書いてるので、

良かったら暇な時にでも読んでいただけると嬉しいです。


読んで頂きありがとうございます

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