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人間になりたい魔物と、毒舌スマホと、28歳の元社畜 ~【万象擬人化】で紡ぐ温かな居場所~

作者:霞 一禾
最新エピソード掲載日:2026/11/01
「宴会芸」と笑われた外れスキルが、気づけば世界の運命を変えていた――。

ブラック企業で働く二十八歳の社畜・鷺宮砕人は、終電後の横断歩道で酔った老人を庇って命を落とし、異世界へ転生する。授かった固有スキルは【万象擬人化】。魔物を人間の姿にするだけの力で、ギルドでは「外れ」「宴会芸」と嘲笑される代物だった。

だが初めての戦闘で、砕人は気づく。ゴーレムの脚や腕だけを人間のものに変えれば、魔物は自分の強みで勝手に自滅する。さらに、ポケットのスマホが少女「ノエシア」に擬人化し、毒舌の相棒として彼を支え始める。

人間になりたいと願う黒い甲殻の魔物。人生に飽きた古の竜。おしゃべりな迷宮ネズミ。三千年、扉をやっていた老門番。擬人化された者たちは、なぜか砕人のそばを離れない。竜姫は食堂を開こうとし、料理上手な転生仲間や無口な騎士、元ライバルの冒険者まで加わって、パーティーは騒がしく膨れ上がっていく。しかも食費は常に危機的だ。

けれど擬人化は、存在の定義を書き換える危うい力でもあった。ゴルドーン副院長が語る「元の世界へ帰れる」という甘い誘惑。星見の塔で二つの月が重なる夜、異界へ手紙を送る古い儀式。そして各地には、砕人と同じ日本から迷い込み、利用され、傷ついた人々がいる。聖剣の呪いに縛られた少年勇者。命を削って人を癒す聖女。

「変えたいんじゃない。誰かが変わりたいと願った時に、背中を押すための力だ」

言えなかった「ありがとう」を伝えるために。大切な仲間の隣にいるために。願いに応える力で、砕人は魔物と人、二つの世界の間に橋を架けていく。

笑って泣ける、ほのぼの成長冒険ファンタジー。
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