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ライジングサンへの加入と追放

話は1ヶ月前にさかのぼる。


「おい、新人」

迷宮都市シブヤの冒険者ギルド。

木製テーブルに頬杖をついた男が、リクを見下ろしていた。

鋭い目付き。

短く刈った金髪。

まだ若いが、自信に満ちた空気を纏っている。

男は名乗った。

「俺はカイン。このパーティ登録書にサインしろ」

その周囲には三人。

槍使いのガルド。

魔法使いのレナ。

斥候役のユーノ。

まだ駆け出しだが、皆やる気だけはあった。

「お前、荷物持ち志望なんだろ?」

リクは少しだけ困ったように笑った。

「……戦うの、苦手なので」

するとガルドが鼻で笑う。

「最近多いよな、寄生狙い」

「まあ雑用は必要だろ」

カインは肩を竦めた。

「その代わり、働けよ」

「……はい!」

リクは頭を下げた。


その直後。

ギルドの水晶板が淡く光る。

《パーティー登録を確認》

《特殊効果を適用します》

誰も気づかなかった。

リクの胸元で、小さな光が瞬いたことを。

特殊スキル 《共鳴支援》

効果: パーティーメンバーの全基礎能力値を2倍化

しかし。

当時の彼らは、ステータスを数値で見られない。

だから変化に気づかなかった。

翌日。

リクにとっては初めての迷宮探索。

地下三階層。

通常なら新人には危険域。

だが。

「……なんか、今日やけに体軽くね?」

槍を担いだガルドが首を傾げる。

「私も……魔力の流れが凄く良い」

レナも驚いていた。

カインは鼻を鳴らす。

「はっ。才能だろ」

その時。

ゴブリンが飛び出してきた。

普通なら新人パーティでは苦戦する相手。

だが。

「うおおおっ!!」

ガルドの槍が、ゴブリンごと石壁を貫いた。

「……え?」

本人が一番驚く。

さらに。

レナの火球。

通常の倍以上の大きさ。

ゴブリンが一撃で吹き飛ぶ。

「な、なんで……!?」

「俺たち、こんな強かったか?」

動揺する仲間たち。

だがカインだけは違った。

ニヤリと笑う。

「才能だよ」

「俺たちは当たりパーティだったってことだ」

その言葉に、全員が浮かれた。

自分たちは特別。

他の探索者とは違う。

選ばれた存在なのだと。

誰も疑わなかった。


その後も。

地下五階層を最速突破。

地下十階層到達。

新人離れした戦績。

ギルドでも話題になる。

「最近のライジングサン、強くないか?」

「あの成長速度おかしいだろ」

「カインって天才か?」

噂が広がる。

だが。

その裏で。

リクは今日も黙々と働いていた。

傷んだ食料を《植物再生》で修復。

薬草を鑑定。

荷物整理。

地図作成。

野営準備。

誰より早く起き、

誰より遅く眠る。

しかし誰も見ていない。

いや。

見ようともしなかった。


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