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転生魔術師令嬢は転生した未来で魔術の素晴らしさを広めたい!〜悪役令嬢になんで負けてられるか!〜  作者: 雪道 蒼細
三章 新たな厄介ごと

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【2】 活動内容を決めよう

 「まぁ、今色々考えても埒が明かないから、とりあえず本来の目的だった魔術部の活動方針について話し合いをしない?」

 「そ、そうですね!」


 私がため息をつきながらそう言うと、ルリアンは首を縦にブンブンとふって賛同してくれた。

 正直言って今日はもう頭を働かせたくないのである。

 (ただでさえいつも考え事してるのに、余計な悩み事とかを考えたくない…)

 私は一度咳払いをした後、シルディアルとルリアンを見た。

 

 「えっと‥ごめん。言い出したのは私だけど、こういうのってまず何から決めればいいんだろう‥。そうだな私的には今年の目標は文化祭で魔術関連の告知的なことをしたいんだよね‥。それで魔術について知ってもらうみたいな」


 無理やり話を変えたすぎて、振った内容のことまであまり考えてなかった。

 (ちょっとふわっとしたこと言っちゃったけど大丈夫だよね?)

 きっと二人なら分かってくれるだろう。多分だが。


 「文化祭。じゃあまず文化祭で何をするかを決めて、それに向けて準備、活動するってのでいいんじゃないか?クレーシー嬢はどう思う?」

 「あ、わ、私もそれでいいと思いましゅ!」


 シルディアルに名指しされたルリアンは手を慌ただしく動かした後、落ち着いたのかそう言った。

 (なんだかルリアンを見ているとほんわかした気持ちになる‥)

 いい子が魔術部に入ってくれたと思いつつ話を勧めなければと現実に戻った。


 「じゃあ、まずは文化祭でやる内容を決めよっか」

 「だな‥。俺は魔術ショーとかいいんじゃないかと思うが、あ、あとは何か売るか?」

 「それも‥いいとは思いますが…。あの人が少ないので、う。売り物は…」


 確かに。先生を入れても使える人員は四人だけだ。助っ人を呼ぶってのもありだが魔術部に助っ人が来るとは思えない。

 となると販売は無しだ。


 「んー。売り物意外だとやっぱりショーとかが良いのかな。ショーなら時間を決めれば人は来てくれるだろうし、クラスの出し物と両立しやすいよね‥」 

 「ですね…!」


 ショー。前世では一回だけ師匠に連れて行ってもらったことがある。

 (まぁ連れていかれたと言っても、ドロドロとした愛憎劇みたいな感じだったけど)

 確か八歳の時に見に行った。もうかなり前の話だが内容が内容だっただけあり、いまだに内容を覚えている。

 でもさすがにこれを学園の文化祭で披露するわけにはいかない。

 今世ではショーを見に行ったことが無いので参考にできるものがない。二人はどうだろうか‥。


 「ねぇ、二人ってショーを見に行ったことある?」

 「ショーか‥俺は興味ないからないぜ?」

 「私はえっと三年前に行きました…」


 おぉ。シルディアルは無くてもルリアンがあったとは。


 「あ、で、でも。先生に聞いた方がいいアイデアが、その…あるかも‥」


 そうルリアンは下を向いて言った、ルリアンの言う先生とは魔術部の顧問であるカルヴァス先生のことをさしている、

 だがカルヴァス先生…。いや師匠に意見を求めるなんて論外だ。きっと学生向きではなく大人のショーになってしまう。文化祭には親も来る。

 魔術部が大人のショーをやってるところなんて親に見られてたら人生終了である。

 多分羞恥心で私も死んでしまうし、それで活動停止なんてなったらたまったもんじゃない。

 なので私はにっこり微笑んだ後にルリアンにこう言った。


 「論外だよ」

 

 と。

 ルリアンはちょっとしょんぼりした後、過去に見たショーの内容を書きだそうとしているのか、黙々と何かを書き始めた。

 その横でシルディアルは何故か納得した表情をした後、私を見た。


 「ま‥クレーシー嬢の記憶を頼りに台本でも何でも作ればいいんじゃないか?クレーシー嬢が思い出している間、俺らはショーに何の魔術を使うかでも考えておこうぜ」

 「そうだね、えっと使う魔術は‥」

 

 私はそう言うと手を頬に当て考え始めた。いざ考えようとなると出てこない。

 いや、出てくるのは出てくるのだがルリアンも使える魔術となると出てこないのだ。

 水で何かを作ったり動かしたりするのは意外と難易度が高い。それにルリアンの魔力量も分かっていしどれくらいの魔術を使えるのかすらも分からないのだ。

 もしルリアンの魔力量が高かった場合、最悪魔術をこの五か月間で叩き込めばどうにかはなる。

 だが魔力量が少なかった時はどうしようもない。

 過去に魔力が増える果実なんかが流行ったことがあったが、そんなんで魔力量が増えるわけがない。

 (・・・・ここはルリアンの魔力量が高いことを願うだけね)

 

 「簡単なのだと風の魔術とか‥あ、土とかも簡単か?」

 「そうだね。水も使いたいけど難易度が。‥ま水は私たちがやればいっか」


 そう言うと私は水で狐を作る。どうしてもこの魔術だけはショーに入れたい。

 (やっぱり一番好きな魔術は使いたいものだよ)

 ‥あ。

 ふと思ったが私が好きな魔術を使いたいように、シルディアルも好きな魔術を使いたいだろうか。えっと確かシルディアルの好きな魔術は変身だったような‥?

 

 「ねぇ、シルディアルって変身系の魔術好きだったよね?」 

 「あぁ。好きだぜ」


 そう言ってシルディアルは呪文を唱えると猫になった。

 黒猫だ。…めっちゃ可愛い。

 撫でようか撫でまいか悩んでいると、先程まで何かを紙に書いていたルリアンがこっちへやって来た。

 心なしか興奮しているような?


 「あ、あの!!変身魔術を取り入れていいなら、レピス様を主役にして、変身する・・・・えっとシーンとかいいかも・・・しれません!」

 「確かに!それいいかも!」


 シルディアルが主役で変身するシーンが見られるのは良いかもしれない。

 (それに、これを機に変身のレパートリーが増えるのも‥)

 私はどんどんとアイデアが思いつくあまりニヤリと笑ってしまった。



 「もういい感じだよ!じゃあ、魔術部は文化祭にやる魔術を使ったショーの準備に向けて活動するぞー!」

 

 私はそう言い拳を上へと突き上げる。

 シルディアルとルリアンは少し驚いた後、私と同じように拳を上へと突き上げた。

 

 「おぉー!」

 「お、おー!」


 魔術部活動開始である!


 * * * *


 そんな魔術部の会話を影で聴いている者が一人いた。フードを被っている男だ。


 「…魔術ショーか…」


 そう男は呟き、暗い廊下を歩き始めた。


 


 

フローレの師匠は見た目はカッコイイですが中身がだらしないです。

酒好きで、朝帰りも多かったお師匠です。

でも魔術の腕だけは凄いです。

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