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メソポタミアの蛇ノ目  作者: 前河涼介
第4章 絵画――あるいは破壊と再生について
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なんでもないある日のこと

 この次の部分には〈なんでもないある日のこと〉という一節が続くのですが、年齢制限シーンとして運営より通告を受け、具体的な描写がなければ意味を失ってしまうシーンのため削除しました。〈新しい朝〉に飛んでもらってもつながりとしてはさほど違和感はないと思いますが、本来的には歯抜けになっていることをご理解ください。

 あるいは18歳以上の方はカクヨム掲載の当該部分を見てください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886979475/episodes/1177354054892833122

 〈なんでもないある日のこと〉の存在意味がわかるように後書きのみ以下本文部分に残します。

 「小説家になろう」には本文部分を作品内部の「場」としてのみ使用するポリシーがあると思うので、このような形でしか残せないなら前部分の後書きに移動して削除するのも手ではあったのですが、他方で削除はできる限り避けるべきという方針はより明確に存在しているのでそちらを優先しました。


 色々記号が詰めてあります。

 回想としてこのタイミングで挿入したことにはきちんと意味があるわけで、前のシーンの夜と合わせて二つのよるがオーバーレイしてあることにはすぐ気がつくでしょう。「胸元に頭を預ける」という共通のポーズが明確な靭帯になっています。

 ある意味では3.11の夜に直接セックスを描くことを忌避したとも言えます。でも意味合いとしては、このタイミングで語る以上、同等のものを有している。すなわち津波あるいは海嘯という陸海の境目の消失を陸的な性格を持つ「僕」と海的な性格を持つ深理さんの交わりによって再現しています。「僕」は土地や座標の確かさに固執してきたし、深理さんには水上機嗜好や水鳥の夢がある、と言えば多少は説得力があるでしょうか。深理さんは山に住みたいという話もしていますが、これはむしろ海からきて陸の奥を志向するという意味に取れると思います。

 セックスの描写についてはもともとかなり大雑把だったのですが、少し考えて直接的な表現を選びました。肉体も含めて一人の人間なのだという白州さんの助言に従って精神の領域から肉体の領域に入ってきたわけなので、ここで省略を用いるのは手落ちになるだろうと。前半部が骨に、後半部が肉に焦点を当てているところからディテールを重視しているのは感じてもらえるのではないでしょうか。

 それに、性器のことを「僕のもの」だとか「彼女の中」だとか婉曲に表現するより、直截に言ってしまった方がむしろ何か別のものを仄めかす隠喩のように感じられて奥行きが出ました。たぶん。

 


 

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