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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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夢幻の森の試練3

しかしすぐに泉から出てきたのだが、その姿を見て3人が驚きの声をあげた。


「えっ?・・・えーっ!(×3)」


何故なら泉から出てきた者たちは、ミザリィ、ナタリィ、シェイラと、全く同じ姿をしていたからだ。


そんな3人であったが、声は先程まで聞いていたものと変わらなかった。


「こちらの準備はできました。」


「いつでもいいよ。」


「かかってくるのである。」


だが突然のことに、ミザリィは困惑して説明を求めてきた。


「ちょっ、ちょっと待ってよ!

何なのその姿は!」


そのミザリィの疑問には、同じくミザリィの姿をした精霊神が答えた。


「当然試練に必要だからです。」


平然とそう答えた精霊神に対して、ミザリィは文句を言いながら更なる説明を求めた。


「それだけだとわかんないよ!

どうして私たちと同じ姿になってるの!」


精霊神は少し考えてから答えた。


「・・・わかりました。

ですが全てを教えてしまっては試練になりませんからね。

答えられるところまでは説明しましょう。

それでいいですね?」


「うん、わかったよ。」


「よろしい。

今私たち3人は、貴女たち3人の姿だけでなく、その全てを映す鏡のような存在です。

それは、今の時点での貴女たちと同じ、ということです。

この状態の私たちに対して、全員が力を認めさせることができれば、そこで試練は終了となります。

説明は以上です。」


精霊神の説明を聞いて、ミザリィはナタリィとシェイラに意見を求めた。


「私たちと同じ?・・・ナタリィ、シェイラ、どう思う?」


「今の話を信じるなら、普通に戦っては永久に決着がつかないことになる。」


「確かにその可能性もありますね。

しかし試練である以上、必ず条件を満たす方法はあるはずです。

例えば、相手が今の時点での私たちと同じと言うのであれば、試練を行っている間に私たちが成長を遂げれば、相手を上回ることができるはずです。」


2人の意見を聞いて、少しだけ考えていたミザリィだったが、結果としてシンプルな答えに行きついたようだ。


「・・・だったら難しいことを考えるのは止めてさ、まずは戦ってみるのがいいんじゃない。

私たちと同じって言われても、いまいち実感無いしね。」


そんなミザリィの意見に、ナタリィも同意した。


「私もミザリィに賛成。

まずは相手の力を測るのが先。」


「そうですね。

ですが様子見は止めましょう。

最初から全力で戦ってください。」


普段のシェイラであれば、未知の相手に対して様子を見ながら力量を図り、それによって得た情報と自分たちの戦力を照らし合わせて最適な戦術を立てるはずだ。


しかし何故か今回は最初から全力でと言われて、ミザリィもナタリィも困惑していた。


「えっ?どうして?」


「まずは相手の出方を探るのが先決だと思う。」


そんな2人に対して、シェイラはその理由を告げた。


「私たちと同じ、という言葉が引っ掛かります。

様子見で力を抑えた状態のところに、相手が私たちの力を上回ってこられては、逆にこちらが一瞬で倒されてしまうかもしれませんからね。

それで試練が失敗してしまっては、元も子もありません。

今回は最初から、相手が私たちと同等以上の力を持っている、と想定して戦いに臨みましょう。

当然この子たちも一緒にです。」


そう言ってシェイラは腕輪を武器に変化させて、臨戦態勢を取っていた。


そんなシェイラの姿を見て、すぐにミザリィとナタリィも腕輪を武器に変化させた。


「わかったよ、シェイラ。」


「最初から全力全開。」


「お願いします。」


そのまま3人は、先程から待っている精霊神たちの方を向いて構えた。


それを見て3人の準備ができたと判断した精霊神たちも、更なる準備を行った。


「どうやらそちらの準備はできたようですね。

ならばこちらも応えましょう。

来なさい、精霊姫。」


「はいっ!」


「おいで、妖精姫。」


「うんっ!」


「来るのだ、幻精姫。」


「うむっ!」


ミザリィの姿をした精霊神の呼びかけに答えた精霊姫は、その姿を双剣に変化させた。


ナタリィの姿をした妖精神の呼びかけに答えた妖精姫は、その姿を弓に変化させた。


シェイラの姿をした幻精神の呼びかけに答えた幻精姫は、その姿を鞭に変化させた。


しかも武器の形も構えも全く同じであり、まさに鏡に映したかのような光景であった。


ここまで同じになることは完全に予想外だったのか、ミザリィやナタリィだけでなく、シェイラも驚きを隠せなかった。


だがそんな状況に構わず、精霊神が試練の開始を宣言した。


「では双方準備ができたようですので、これより試練を行います。」


「いっくよーっ!」


「参る!」


その掛け声と同時に、精霊神はミザリィへ、妖精神はナタリィへ、幻精神はシェイラへと、問答無用で向かってきた。


だが驚いて動きを止めていたのも僅かな時間で、3人は向かってくる相手に対応するために即座に行動を起こしていた。


ミザリィは双剣で斬りかかってきた精霊神に対して、自身も双剣で攻撃を受けている。


ナタリィは複数の矢を放ってきた妖精神に対して、自身も同数の矢を放ち、相手の攻撃を射ち落としている。


シェイラはは少し離れた場所から鞭で攻撃を放ってきた幻精神に対して、自身も鞭による攻撃で迎撃をしている。


当然最初にシェイラが警告した通り、全員全力で攻撃を放っている。


しかし互いの力は全くの互角なのだが、その表情は対照的であった。


精霊神たち3人は、余裕の笑みを浮かべている。


対するミザリィとナタリィは更に驚いた表情を浮かべており、シェイラは予想通りではあったがその表情は険しかった。


そんな中、精霊神たちはすぐに次の攻撃を繰り出してきた。


今度は精霊神がシェイラに、妖精神がミザリィに、幻精神がナタリィへと向かって攻撃を繰り出してきたのだ。


その動きは、いつも訓練で相対するものと全く変わりない。


だからこそ身体が覚えており、その対処方法も自然に行うことができた。


双剣で斬りかかろうとする精霊神を、シェイラは鞭による攻撃で間合いに入られないように防いでいる。


妖精神の遠距離からの攻撃を、ミザリィは双剣で全ての矢を斬り落として防いでいる。


鞭の間合いに近づこうとする幻精神は、ナタリィが絶え間なく矢を放つことで近づけず、完全に防戦一方となっている。


逆にミザリィ、ナタリィ、シェイラが攻勢に出た場合も、相手を崩すことができずにいた。


その後も武器、体術、魔法など、あらゆる攻撃を駆使したが、全て同じ力で返されたり、的確な対抗策を用いられてしまう。


当然ミザリィは霊神力、ナタリィは妖神力、シェイラは幻神力を全力で使っている。


それも魔神力を喰わせることによって増幅している状態でだ。


原理は不明だが、全てにおいて精霊神たちは力だけでなく知識や経験など、3人と同じ力を有しているようであることが、実際に戦ってみてわかった。


同時このままではいつまで経っても決着はつかずに時間だけが過ぎてしまう、3人がそう考えて焦りはじめるのは仕方の無いことであった。

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