魔王の目的
絶体絶命のこの状況。
「この前の反乱で死んだ、二人の将軍は知ってますよね?」
「バルサミーコとデミグラですね...」
「はい。その能力は知ってますか?」
「バルサミーコが魔力分解で、デミグラが生物操作です」
「その能力が欲しくて、殺したんですよ。彼らは僕の父、ゾルデウドの代からの将軍でしてね、僕にはあまり忠誠を誓ってくれなかったのですよ」
「......」
「僕は死体を一定量食べる事で、その能力を奪えるんですよ」
「!?」
「覚えられる数が限られていて、能力の厳選をしていたのです。そしたら、アルシェーラさんの能力が強力らしいじゃ無いですか!」
「ふざけるな!」
シーラが大声を出した。
「お前はとても危険な存在だ! 生かしていれば必ず世界を脅かす存在になる!」
「何言ってるんですか? この世界は僕の為にあるのですよ?」
「お前の物なんかじゃない! お前の物なんかにさせない! ここでお前をぶっ殺す!」
「ああ、言ってませんでした? かつて、三人の魔王を相手に一人で渡り合った魔王ゾルデウドの能力、魔神化。僕はそれを取り込んでいる。そして、魔力分解、生物操作。この能力を持った僕は最強ですよ?」
「先代を殺したのはお前だったのか!」
「殺した? どうせすぐに終わる命だったのですから、有効活用しただけですよ? まあ、完璧に能力が使える訳ではありませんがね」
「お前は、お前だけは絶対に潰してやる!」
「さあ、アルシェーラさんも早く僕の一部になって下さいよ」
なんて奴、ギルゼウス!
自分の父親まで殺すなんて!
それにシーラちゃんを狙うなんて!
絶対に許さない!
「リューカ、私達も戦うよ!」
「ああ、分かってる!」
シーラは髪飾りに付いていた青い星を目覚めさせる。
「生成、魔神銃、鉄タイプ、スライムウィザード!」
テンペストペンリルを蜂の巣にしたマシンガンを作り出す。
おかげでかなり魔力が削られた。
「ファイアーショット!」
マシンガンから炎の弾をギルゼウスに放った。
しかしギルゼウスは魔力分解で炎の弾を消し去った。
「召喚、レッド! チャージ」
シーラは赤い星を出現させた。赤い星は光りを放ちはじめた。
「ゴーレン、フィン、白髪と金髪の相手をしろ」
ギルゼウスは大男と剣士の女に命令をした。
どうやら私の相手は棍棒を持った大男のようだ。
「オマエ...コロス...」
おそらく操作をされている。
この人も被害者なのね...。
「申し訳ないけど、殺す気で行くよ! アイアンバレット!」
大男に向かって鉄の弾を放つ。
しかし、棍棒を振り回し、全て弾いてしまった。
そして、大男はこちらに突進を仕掛けてくる。
「くっ!」
突進を回避して距離を取る。
生半可な攻撃じゃ効かないし...マシンガンの魔力が尽きるけど!
「エクスプロージョン!」
マシンガンから放たれる魔力球。
それが大男に当たり、大爆発を起こした。
「やったか!?」
リューカから声がかかる。
「シュラムア、それは言うな!」
え? なんで?
煙りの中から姿を現す巨体。
なんと、その体は殆どダメージを受けていなかった。
「な、なんで!?」
「ガアアアッ!」
大男は棍棒でシュラムアを吹き飛ばした。
「きぁああ!」
何とか起き上がる。
しかし、棍棒が直撃した左腕は折れていた。
「うふふふふ」
突如笑いはじめたシュラムア。
「私だけで戦うなんて馬鹿だったなぁ」
「一人で勝てないなら...仲間を作れば良いよね」
「生成、人型、ガーディアンタイプ、タンクスライム」
ハンマーと盾を持った全身鎧のスライム。
「生成、人型、剣士タイプ、メタルスライム」
剣と盾を持った小柄なスライム。
「生成、人型、魔法使いタイプ、スライムウィザード」
杖を持ったローブ姿のスライム。
「生成、人型、回復術士タイプ、ヒールスライム」
同じく杖を持ったローブ姿のスライム。
「名付けて、エリートスライム」
それに合わせ四匹改め、四人はポーズを決める。
「エリートスライム! あの大男を倒すのだ!」
「「「「プヨット!」」」」
こうして集う精鋭達。




