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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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ぬわ!

 彼と彼女が出会って一カ月が過ぎた。


 まったく時間の経過というものは速いもので、わたし(貴君)プーやん、そして……元のクロの奥さんと一緒に、わたし達も彼らを見守っている。


「…」


「……」


「ぇ、ねぇちょっと!久しぶりの登場で驚いたことがあるんだけど、私、名前、ないじゃない!」


「ぅ、ぅん…」


「ぬ、ぬぅ…」


「猫は名前とかの概念ないってものすごく前に書いてたけど、人間の物語で皆に名前があるのなら私も何か欲しいわ」


「め、め、め、雌猫…」


「め、め、め、メグ…」


「ゴミとダブりじゃない!なんなの!なんでこんなにとんでもなく少ない登場キャラの中で奇跡的に名前がかぶるのよ!」


「ど、ど、ど、泥棒…猫…」


「ど、ど、ど、泥…水…」


「うがーーー!」


            〇


 彼と彼女が出会って一カ月半が過ぎた。


 まったく時間の経過とは速いもので、わたし(貴君)プーやん、そしてメル…と一緒に彼らを見守っている。


「メルはメルカリの略だと皆に伝えた方がよくないか?」


「面と麺と綿と免と緬と棉と麵と孟とメルカリで悩んで、結局メルカリにアレンジを加えて、メルに…」


「うるさいわねあなた達、いいじゃないメルで。私はメルよ。名前はメル。私の名前はね…メルよ。」


「ぬう…どえらく気に入って、決まってからずっとあの調子である…」


「まあ…わからんでもないが…」


「私の~名前は~メ~ル~です!」


            〇


 彼と彼女が出会って一カ月と3週間が過ぎた。


 まったく時間の経過とは速いもので…


「ねえ…いつまで、私た…メルたちでここを埋めるの?」


「貴君の入りもまるで、文章コピーして貼ってるだけみたいになってるのである…」


「経過日数は変わってます…」


「ねえ…ここだけの話…本当にここだけの話なんだけど…文字数が多すぎて読者もそして作者さえも少し引いてるのに、私達喋ってて大丈夫なの?」


「でも…でもである…」


「彼ら、ほとんど毎日会っているのに…大事なことを言わないから…話が全然進まないのです!」


「自分の過去とかはこの前話したんだけどね~、そこから(あなたの事が…)とかにはならないよね~」


「…………」


「ん?プーやんどうしたの?」


「ど、どうしました?」


「…わ、わ、わからんのだが…な…あ、あ、あの、で、できそうなきがする、ので、ある…いま、ふと、なにやらなんだか、よくわからんのだが…できそうなきが、する、ので、ある…」


「え?なにを?」


「なにができるの?」


「だ、大事な、こと、言わせ、られるかも、しれぬ」


「!」


「!!」


「好きは…好きは無理な気がするが…他の言葉は、言わせられそうな気がする…」


「そ、そ、それは、さすがに無理じゃないですか?」


「さ、さ、さすがにそれは、無理でしょう…」


「ちょっと、ちょっと…やってみるのである…」


「ぁ、あの!公園ではなく、今度、いえ、明日でも、どこかデートに行きませんか?」


「え?」


「ぇ」


「ぇぇ」


「ぁ、できた…」


「ぁ、はい。いいですよ。喜んで」


「ぇ!」


「ぇぇ!」


「ぬわ!」


「ぬわ!」


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