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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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ふへへへへ

「…」


 私はまた白い天井を見ている。


 私、また寝てたんだ…


「そっか…」


 私は体を起こす。地球の重力をめいいっぱい感じながら。


「…」


 ベッドに座りながら時計を見る。


 時計は11時を過ぎていた。


「…」


 彼は公園にいるだろうか…


 彼は公園に来てくれるだろうか…


「何時に来てくれるんだろう…」


 そういえばそういうことも決めていなかった。


「ん」


 あれ?もしかしたら…もう、公園に来てくれているかもしれない


 ダtッ


 私は急いで洗面台に向かった。


              バタンt!


  ゴワチャチャ…


  カチリ


 ダッツ


 ダッダッダッダッ!



 結局12時を過ぎてしまった…。


 髪の毛やら、化粧やら、服装やら、なんやらかんやらしていたら、急いでいるのに時間はあっという間に過ぎてしまった。


 この服装だと意識してるのばれちゃうかな?とか…化粧濃くしすぎたかな?とか…香水…強すぎたら、嫌だよね…とか


 私は勝手に寝坊して、勝手に焦って、勝手にバタバタして、勝手に今、早歩きで歩いている、遅刻なのかもどうかわからずに。


 彼と昨日みたいに楽しく喋れるかな?


 あの灰色の綺麗な猫ちゃんとは、今日こそ仲良くなれるかな?


 ニャーさんをぐちゃぐちゃに撫でまわしたい。


 ほんの少し不安だけど、それとは逆に楽しみでドキドキもする。


 こんな気持ちはいつぶりだろう。


 どうしてか楽しくて笑いそうだ。


 どうしてか楽しくて鼻歌を歌ってしまいそうだ。


 どうしてか楽しくてスキップをしてしまいそうだ。


「…」


 私はリズムよく階段を降り、七段目で立ち止まる。


 私は左にある奇妙な道に入っていく。


「ふふ」


 楽しくて笑ってしまった。


 口元を両手で隠す。


「ふへへへへ」

 口元を隠しながら気持ちの悪い笑みを浮かべる。


「ぁ」


 私、顔赤くないかな?大丈夫かな?


 私は小さな鏡を小さくて可愛いバッグから取り出し見る。


「う~」


 見なければよかった…可愛くない…


 なんだか少し不安になった。


 も、戻るか?で、でも、もう来てたらどうしよう…もう、たぶん、あの公園から私のガサガサ、っていう音、聞こえてるはずだし…


「ぁ…ぅぁ~」


 私は天を見る。木々の間から見える空は今日も青い。良い天気だ。


「よし、歩こう!」


 別の事を考えながら私は前へと進んだ。


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