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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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勝手に、私が、不幸を作っている

「いざ死のうとすると、死にたくないって泣きじゃくる。じゃあ頑張って生きようと生きていると、お前はまた元気になって、つまらない事ばかりを考える(誰ともつながっていなくてつまらない)(楽しい事なんて何もない)(私には不幸なことしか起こらない)(つまらない、不幸だ、もうやだ死にたい)(死んだらきっと楽になる)」


 死んでもきっと、楽になんかならないよ…


「死んでもきっと、楽になんかならないよ…きっと私は、宙づりで首を縄で絞めたまま、今度はバカみたいにプラスなことばかりを考えるだろう(やっぱり死ななきゃよかった)(だって、まだ、可能性は無限にあったのに)(もっと人と向き合っておけばよかった、生きているうちに連絡すればよかった)(死ぬ勇気があるのなら…どうしてその勇気を、もっと、他の事に、使わなかったのだろう)(生きていれば、可能性は無限に会ったのに…)」


 お前は私で、私も私だ。


 不幸はお前が作り出す。


 私が不幸を作りだす。


 勝手に、私が、不幸を作っている。


 何もないという事に不幸を感じ、仕事をしていることに不幸を感じ、暇なことに不幸を感じ、空が晴れていないことに不幸を感じ、テレビがつまらないときに不幸を感じ、勝手に人と自分を比べて不幸を感じ、流れていく時間が長く退屈なことに不幸を感じ…人と群れているときに不幸を感じ、一人でいるときにも不幸を感じ、寝ても起きても、不幸を感じ…歩いて、つまずいて、不幸を感じ…肩がこることに不幸を感じ、自分の顔を醜く思い不幸を感じ、肌が荒れているときに不幸を感じ、洗濯物から嫌なにおいがすると不幸を感じ、家に迷い込んできてしまった哀れな虫にすら不幸を感じる。


 私…バカだな…


「…………………・・・/・・・・・・・・・・・……・」



あれ?


 な、んだ?


  急に


   脳みそが、



     水の入った水槽の中で


ちゃっぷちゃっぷと


気持ちよさそうに浮いている、ような、


  心地よくて、ボーっとする…ような



もう絶対に目を開けたくないような


  立って歩くなどバカげているような


 そんな感覚に、な、った。


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