作戦を立てるわ!あなたの家はどこ?
「メグ?」
「……………………クロ?」
僕は頷き「そうだよ」と言った。
「今は違うけどね…」
僕はそう言って頑張って笑った。
「…ふふ」
メグは僕の引きつった笑顔を見て、なぜか安心したように笑った。
「あなたは人間に戻っても、笑顔はあの時のままね」
そう言いながら僕のもとへ歩み寄ってくれた。
「ありがとう…」
僕はかがんでメグを見た。
「というよりも、クロ、あなた、猫の言葉がわかるの?人間に戻ったのに」
「え?ああ、そうなんだよ。わかるんだよ、猫の言葉」
「へえ…あなたは本当に珍しい体験ばかりするわね」
「なあ」という言葉と共に、クロが下りてきた。
「その美人さんは一体誰なんだ?」
「え?ああそうだね、クロ、忘れてた」
「クロ?」
「彼女はメグ。クロにも何回も言ったと思うけど、僕を物凄く助けてくれた、いくら感謝してもしたりないほど…」
「ねえ!」
「え?」
「クロ、ねえクロ…なんでここにクロがいるの?」
メグは僕とクロを交互に見ながら、明らかに混乱しながら言った。
「え?ああそうだね、そうだよね、クロはね、僕が目を覚ました時に僕の隣で眠っていたんだ」
メグは僕に(はて?)という顔を見せた。そしてクロを見て
「あなたは、私を見るの初めて?」
「お、おう…初めて」
「彼女は知らない?」
「こ、こいつから、話はとてつもなく聞いてるが、見たことはない…知らない」
「そう…ありがとう…」
そう言うとメグは僕を見た。その瞳はなぜかキラキラと輝いていた。
「作戦を立てるわ!あなたの家はどこ?」
「こ、こちらで御座います!」