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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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彼女を見てると、神様に向かって大きな声で怒りたくなる。「なんでこんなことするの!」「こんなことしてあなたは面白いの!」って怒鳴りたくなる

 彼女を見ていると辛くなる…。


 孤独感や不安で押しつぶされている彼女を見てると私まで苦しくなる。


「…」


 もう…クロ、あなたは来ないかもしれない。あなたはどこへ行ってしまったの?どこへ消えてしまったの?


あなたが自らいなくなったのではないのはわかる。あなたはまるで、奇跡のような体験をしていたから。


 でも…だとしたら、神様は一体なにをしているの?なにがしたかったの?彼女に希望を与えて、そして新たな苦しみを作りたかったの?意味が分からない、意味が分からない!


 彼女を見てると、神様に向かって大きな声で怒りたくなる。「なんでこんなことするの!」「こんなことしてあなたは面白いの!」って怒鳴りたくなる。


 クロ…あなたが来ないなら、私が彼女に寄り添うわ。


「そう言って、もう4日…」


 彼女のもとへ行こうとすると、この前足が地面にくっついたように動かなくなる。


 私なんかでクロの代わりができるのか?彼女の心は潤うのか?私でいいのか?私なんかでいいのか?彼女が待ってるのは私じゃない…彼女が待っているのはクロだ。


「でも…」


 それでもクロは来ないじゃない…。私は…弱っていく彼女を見ていたくない。こんな私でも出来ることがあるのなら、助けることができるなら…。


「と言いつつ、何もできてないじゃない……」

 

 私がしょんぼりして公園を出ると、一人の大きな荷物を持った男の人間が階段を上っていた。そしてその男の人と目が合った。


「…」


「……」


その人間はなぜか、私を見て固まっている。そして、私もなぜか固まっている。


「………メグ?」


「……………………クロ?」


 その言葉を聞いた人間は目を大きくさせながら、口を半開きにさせながらコクンと頷いた。


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