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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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だけど…僕はそこがどこなのかも、誰に会えばいいのかもわからない…

 僕は誰かを助けなければいけない…


 生きていることを苦痛に感じている彼女を助けなければいけない…


 大好きな彼女を助けたい…


 その女性は公園にいて、きっとぼくを待っている。


「…」


 これは僕の意思だ…。僕が猫だった時の気持ち、彼女を助けてほしいと僕に言っている。


「…」


 でも、ごめん…僕は彼女を思い出せない…。彼女…あなた…がいたのはわかる。すごく綺麗でかわいらしくて、素直で優しくて、すごく頑張り屋さんで、でも傷付きやすくて、なんでも自分一人で抱え込んでしまう…そんな彼女がぼくは大好きで大好きで、でもなんだか心配で心配でしかたなかったと、ぼくが感じていたのは覚えている…ぼくはそんな彼女が大好きで愛していた…。


 でも…どうしてか彼女の顔が思い出せない。思い出す彼女の顔は陰で少し暗くなっていて、はっきりと見ることができない。いつも思い出す公園も何かぼんやりとしている。僕が彼女をどう思っていたのか、どう感じていたのかしか思い出せない。


 メグ…すごく親しくてなんでも相談していた猫さんだ。すごく頼りになって、すごく尊敬していた、彼女とも僕を結び合わせてくれた。毎日他愛もない話をして、僕を楽しませてくれた…いつも僕を心配してくれた。すごく優しくて、すごくすごく大切な親友だ…。


「はぁ」


 でもだめだ、メグも僕がどう感じていたかしか思い出せない。メグがどんな姿の猫なのか、どこにいるのかもわからない…。


「…」


 あの公園はどこなんだ?どこにあるんだ?


「あの公園に行けば、メグにも、そして彼女にも会える」


 だけど…僕はそこがどこなのかも、誰に会えばいいのかもわからない…。


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