どうして?どうして死にたいなんて言うの?あなたは死んじゃいけないし、もっと楽しく生きるべきだよ!
「今日、私が見た人たちは、私がなりたい自分の姿。私が望んでいる自分の姿。子供の頃思い描いた自分の姿…泣きそうだった!最初から、無理してた!楽しいふりをしていた。これが現実なんだと、重たく私にのしかかった。そしたら不安や不満ばかりが頭をよぎって、泣きそうな私に拍車をかけた。なんでこんなところ来ちゃったんだろうって、頭の隅で思って、でも頑張って蓋をして…そしたら、昔の彼まで思い出しちゃって…私は今まで何をしていたのだろう、なんてなにもしてこなかったんだろう、なんであんなに、全ての事から逃げ出してしまっていたんだろう…彼はきっとこんな私を受け入れてくれたのに…」
ぼくはどうしてここにいる?
彼女は苦しんで、本音で喋ってくれているのに、ぼくはそんな彼女をただ見つめることしかできないのか…。
消えたい…この世からいなくなりたくて、どうしようもない。消えたい…死にたいよ…死にたくて死にたくて、もう、どうしたらいいかわからない…
ぇ…
今の言葉はあなたが言ったの?
あなたは…勝手に強い人間だと思っていた。だからあなたは人間だった頃のぼくのように、死なんか望まないと思っていた。辛いことがあっても、苦しいことがあっても、乗り越えて強く生きていくんだと思っていた。死ぬなんてあなたは考えてもいなくて、どうやって生きていこうかを頑張って苦しみながら考えていると、ぼくは思っていた…。
「あ!ごめんね」
そう言ってあなたはぼくを地面に置いた。
死なんか…考えちゃ駄目だ。
ぼくはあなたに生きてほしい…。
元気に楽しく、嫌なことなく、生きてほしい…。
「どうして?どうして死にたいなんて言うの?あなたは死んじゃいけないし、もっと楽しく生きるべきだよ!」
ぼくは口に出して言っていた。
それと同時に過去の死を願っていた時の自分の姿が蘇る。
死にたくて死にたくて…どうしようもなく死にたくて…生きていてもつまらなくて、希望が無くて、嫌なことばかりが起きて、苦しい事ばかりが起きて、幸せなことなんて何にもなくて、友達も恋人もいなくて、喋る相手もいなくて…死ぬこと以外に希望を持てなくて…でも、でも死ねなくて…死ぬ勇気なんてなくて…首を吊るのが怖くて、高い所から落ちるのが怖くて、車にはねられるのが怖くて、電車にはねられるのが怖くて、薬をたくさん飲むことが怖くて…怖くてこわくて怖くて…死にたいと思っているのに死ぬ勇気がなかった。
「ごめんね…っつ、ニャーさんごめんね…」
彼女が泣きながらぼくに謝っている。
「…」
ぼくがどうしてあなたに惹かれたのか、なんだか少しわかった気がした。
ぼくたちは似た者同士なんだ…