毎日君に会う時間だけ幸せを感じる時間だった
ドテ!
その瞬間ニャーさんが倒れた。
「ニャーさん!」
私は急いで駆け寄りニャーさんを抱き上げる。
「大丈夫?ねえ!大丈夫?ニャーさん!ニャーさん!」
ニャーさんは息を荒くさせて、薄目で私を見ている。
「ニァァ、ニァァ、ニァァ」
ニャーさんは苦しそうな顔でまだ私に何かを伝えようとしている。
「大丈夫!ねえ!ニャーさん!苦しいなら鳴いちゃだめだよ!」
「ニァァ…ニァァ…」
「…え」
ニャーさんの、頭が、キレイな青色に光りだした。
「な…なんで」
綺麗な青色はどんどんニャーさんを浸蝕していく。
「え?死んじゃうの?」
光はどんどん強くなっていく。そしてそれと同時になぜかニャーさんの周りだけ、強い風が舞い始めた。
「ニャーさん!ヤだよ!お願い!死なないで!」
青色の光は体にまでいき、ついには尻尾も光りだした。
「なんで!なんでよ!お願い!ヤダ!」
「ニ…ニ…」
風がニャーさんの下からすごい勢いで噴き出し、ニャーさんを持ち上げてどこかに連れ去ろうとする。
「あ!ヤダ!ダメ!やめて!やめて!お願いだから!」
風はどんどん強くなる。そして光もどんどん強くなる。
「ごめん!ごめんなさい!謝るから!お願い!お願いだから!ニャーさんを連れて行かないで!お願いします!」
光がさらに強くなるにつれて、ニャーさんは力がなくなっていった。
「ヤダ!やめてって言ってるじゃない!なんで!なんでやめてくれないの!」
風はいつしか竜巻のようになり、ものすごい力でニャーさんを連れ去ろうとする。ニャーさんは尻尾の先まで全て青色の光に支配されてしまった。光はさらに強くなる。
「お願いニャーさん!死なないで!」
もう、目を開けているのもつらいと感じるほど眩しい。
「まだ一緒にいたいよ!もう一緒にいれないの?ヤダ!ヤダよそんなの!もっと一緒にいたい!毎日君に会う時間だけが楽しい時間だった!かけがえのない時間だった!幸せを感じる時間だった!」
きみに伝えたかったことを、もしきみがいなくなるのなら、全部言わなきゃと思った。どんなに風が強くても、目が開けられないくらい眩しくても。
「ニャーさん私!知ってると思うけどきみが好き!大好き!世界の誰よりも大好き!一番好き!愛してる!きみに会えてよかった!きみは知らなかったと思うけど!私はきみに救われてたんだよ!死にたいと思うといつもきみが頭をよぎった。そして、きみがいるからまだ生きようって!なってたんだよ!夢には毎日きみが出てきた!友達もいない、好きなこともない、真っ黒で何もない私の夢の中を、暗くて未来が見えない私の夢の中を!きみは楽しく彩ってくれた!ありがとう!ニャーさん!今まで……」
シュッ