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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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お待たせしてすいません、ごめんなさい!

 私は今日(この部屋にいては底のない不安にズブズブとはまっていってしまう)と外に出て、電車に乗り、電車内でまた(不安)になり、ショッピングモールで買い物をしたら(元気)になり、本屋に入り(本や漫画の中のキャラクターは私と全然違う)と意味もなくひがみ、また(落ち込み)、今度は腹が減ったと昔の記憶をたどり中華料理屋さんに入ったら、ここに一緒に来た昔の彼を思い出し、私がいけなかったんだと(後悔)し、今、私はお店を出た。


 さあ!私は元気になれるかな?皆で私を見守っていこう!



 消えてしまいたい…そう思う時がよくある。


 そしてそれと同時に、この世から私が消えても誰も気付かないんじゃないかって、気付いてくれないんじゃないかって思ってしまう。


「…」


 私が消えても、私が死んでも、きっと誰も気付いてくれない。そう思うだけで私の心はキュッと苦しくなる。


 このショッピングモールにいる人たちは、皆誰かと繋がっている。楽しそうに友達と喋りながら歩く学生さんたち、手をつないで口角が上がりっぱなしの微笑ましいカップル、無邪気に母親の手を引っ張る天使のような子供、そして優しい微笑みを返すお母さん、ゆっくりと歩きゆっくりお話をする幸せそうな老夫婦。


 ここにいる人たちを見ると、私はやっぱり誰ともつながっていないんだと思ってしまう。そして無性に寂しさを覚えてしまう。一人は嫌だと思ってしまう。


「…」


 後悔したって、何かが変わるわけじゃない。後悔したからって、急に私に友達ができるわけじゃない。だから後悔はしたくないって、したくないって思うのに…。


「…」


 私は下を向いて普通の人を装って歩く。(友達はいるけど今日は一人で来たの)という風を装えているかわからないけど、装えているつもりで歩く。


 私はここの人達みたいにちゃんとしてない…。


 ここの人達みたいに誰かと繋がっていない。


 私の糸は、もう誰ともつながっていない…。


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