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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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ふぉあ!

 シュボ!


「入りましたね…」


「スン…」


「猫に…人間の魂が…」


「スン…スン…」


「心臓…動き出しました…硬直も…なくなってきてますね」


「スン…」


「と、とり、とりあえず、よかったですね…魂…他の身体に入って、ビックリして、想定外すぎてビックリして…逆に入っちゃったんですかね…よく、わからないですけど…」


「ご…スン…ごめ…」


「え?なんですか?」


「ごめんね…(小声)」


「え?いや、そんな、いいですよ…大丈夫ですよ、わたしは全然。ただ…彼らが…」


             ●


 ぼくはどうして公園にいるんだろう?


「どうやら彼は、記憶を失っているようですね」


「ぬ、ぬーん…」



 起きて生きるなんてもうたくさんだ。


「どうやら猫は、魂と体の調和がうまくとれない…ようですね」


「いや、たぶん、記憶があるぶん、拒否しているのだろう。体との調和を自分から拒絶しているのだろう…」


「どうします?」


「と、とりあえず、両者に栄養を送り続ける」


「え、そんなことできるんですか?」


「ぬう…これはできる」


             ●


「彼…他の生物に、怖がられてますね」


「うぅうすまぬ!すべて私がいけない!」


             ●


「猫は相変わらず起きませんね」


「こいつはなんだか、全ての事を棚に上げて言わせてもらうが、少し腹が立ってきたぞ」


             ●


「はぅあ!彼に友達が出来ました!人間の時から見てるわたしにとっては、なんでしょう!凄く嬉しい!嬉しいです!バンザイ」


「よかった!思いっきり人間の魂の件全てばらされたけど、よかったのである!」


             ●


「猫…」


「猫…」


             ●


「ふぉあ!こ、こぃ、恋をしました!彼が!猫の姿で人間に!」


「あぁ…嬉しい、嬉しいけど、その姿で…もぅ、本当に申し訳ない!」


「そんなの関係ないですよ!彼は明らかに人間の時よりも楽しそうに毎日過ごしています!」


「きっくん…スン…」


             ●


「猫!」


「猫!」


「彼はお前の身体で友達を作り、人間に恋をしたぞ!」


「お前はいつまで前の彼女の魂に心配をかけるつもりだ!」


「そうよ!そうよ!」


「毎日ここに来てたら、いつの日か彼女に我々が見えるようになったぞ!」


「そして友達になったぞ!」


「あなたの魂が、見えない何かに持ち去られたときはめちゃくちゃビックリして失神しそうになったけど、今ではこの通りすっかり仲良しよ!毎日あなたの悪口で盛り上がってるわよ!悔しかったら起き上がって来なさい!」


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