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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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そうであろう

「お話しするということがこんなに良きものだとは思いませんでした」


「そうであろう」


「話すと心が洗われますね。スッキリします。会話というものはこんなに楽しかったのですね」


「そうであろう」


「そう言えば話は変わるんですけど、あなたはどうしてここに来たんですか?」


「そうであろう」


「え?」


「んぁ!ああ、そうで…それはだな…」


確かここから、また、長くなったな…。読者諸君、ごめん。本当にごめん。ここからはスキップ多用で(最後まで)お送りする。あと、千文字に全くもって収まっていないことも、後できっくんと誠心誠意謝罪する。本当にごめん。


            ●


「そいつぁすごいですね!」


「そうであろう」


「なんてすごいことをしているのですか!」


「そうであろう」


「…」


「…」


「そういえば聞いてくださいよ。わたしが昔から見てる人間がいるんですけど…彼は今、自ら死を望んでるんです」


             ●


「そんな大変な人間が…」


「そうなんです…」


「いつも思うのだが、人間が味わう、人間同士が作り出す不幸というものが一番醜く長く汚らわしいと私は思う」


「そうですね…」


「その人間、まだいるのか?」


「え?生きているのか?ってことですか?」


「ぬう」


「えぇ、いますよ。魂が弱り切っていますけど」


「では見に行こう!」


「え?」


             ●


「ぬう…たしかに魂が弱り切っている。」


「希望を失くして、ほとんどの時間、部屋に閉じこもっています」


「ぬう…かわいそうだ」


「友達とかもいないですからね。悩みを言う人もいないんですよ」


「希望が必要だな…」


「そうですね…」


「どうすればいいのであろう…」


「そうですね…」


「…」


「……」


            ●


「ん~…」


「ぬん…」


「…」


「……」


「………」


「…………」


「あ、そういえば…さっきの猫…大丈夫かな?」


「ぬ?」


「あの、トラックに飛び込もうとしていた猫ですよ」


「ぬう!あの猫か!あの猫も魂が弱っていたな」


「そうですね…」


「ぬあ!そうだ!」


           ●


「入れ替えるんですか?魂を?」


「ぬう!」


「そんなことができるんですか?」


「魂が自分の体にあまり執着を持っていなければ……というか、彼のあの…魂なら、むんずと掴める気がする」


「掴めるんですか?」


「あれならな、寝てる時であれば…だが」


「気がするで、大丈夫ですか?」


「それはたぶん…ダメである」


「…」


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