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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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この地球の理である弱肉強食から逃れることができた人間の最後の敵は、人間だった

 そうしているうちに人間は、この地球というものを忘れ、自分たち人間が作ったものでしか満足できなくなった。


たくさんの人間が良いと言ったものしか信じなくなり、たくさんの人間が良いと言った場所を良い場所とし、たくさんの人間が集まりすぎて歩くのも困難になるようなところに人間はなぜか好き好んで集まった。


 そうして人間はだんだん自我というものを失っていき、自分で何かを決めるということができなくなっていった。


すごくいい場所に行っても、ここがいい場所だって言われてなければただの普通の景色に変わり、店で美味しいものを食べても、そこの悪い評判を見たら今食べたものでも味が半減してしまう。見たこともない他人に振り回されて人間は自分を失くしていく。それに人間は、全く気付いていない。


 まぁ、それもそうだ。自分がないものは、見たこともない他人と同じ色になることを望んでいる今の人間には、自分を失くすのなんてどうでもいい事なんだ…。


「…」


 じつにかわいそうな生物だ。


 全てを手に入れても満足せず、この地球というものを無視して、自分たちの中で価値というものを作り、それにそって不自由を強いられている。すべてを手に入れても人間は、自分たち人間によって不自由を強いられることになる。全てを手に入れ、なにものにも攻撃される心配も、食べられる心配のなくなった、この地球の理である弱肉強食から逃れることができた人間の最後の敵は、人間だった。


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