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きみが待ってる公園で  作者: 柿の種
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ぼくに子供が生まれたら…カンナという名前を付けよう…千年に一人の美女になるかもしれない

 ぼ~


 ぼ~っという言葉を作った人間は、本当にぼ~っとしたことがある人間だ。


 ぼ~


 だってこれは、その言葉以外に考えられない。


 ぼ~


 すべり台の上で空を見上げて流れていく雲を仰向けで手と足をピンと延ばしぼーっと見ている。


 え?お前は誰かって?吾輩は猫である、名前はニャーさんとクロの二つの名を持っている…刀をいつも二つ腰にぶら下げている両刀使いの猫である。


 あぁ…頭が…脳が動かない。この態勢でいると時間とともにどんどん自分がダメになる。時間とともにすべてに対しての気力を失い、これではダメだと起きようとして、起きなかった場合はもうダメだ。おしまいだ。ただ呼吸をするだけの置物と化す。目を開けて、頭は無駄に何かよくわからないことを考えながら、口は半開き、そこからよだれを垂らし、ズズッと垂れたよだれをもとの定位置に戻し、数十秒後にはまた垂らしている。なぜ寝ていないのか疑問に思い寝ようとするが、そういう時に限ってなぜか眠りにつくことができない。動くことも、起き上がることも何かの衝撃が無ければできないというのに、はっきり言って眠ることしかできないというのに、なぜか頭は眠ろうとするとよくわからないことを考えて、二秒もすれば何を考えていたのか忘れてしまうようなどうでもいいことを永遠と頭の中で喋り続け、眠ろうとする自分を「うっきゃっきゃ」と笑いながら妨害する。


「このばかもん!」


 それに対して時折怒りが頂点に達し、急に一匹寂しく怒鳴ることもあるが、その後もまぁ(怒ってかんな、怒ってかんな、めちゃくちゃに怒ってかんな。怒り頂点達してんかんな。怒り頂点達したんから怒鳴ったんだかんな。今の自分恐ろしいか恐ろしくないかってんなら恐ろしいかんな…ねぇ、なんかさっきから(かんな)多くない?かんな…かんな…カンナの花言葉は…知らない…カンナ…カンナか…よい名だ…ぼくに子供が生まれたら…カンナという名前を付けよう…千年に一人の美女になるかもしれない……ぁ)


「怒ってかんな!」


 まぁ、これの繰り返しだ。


 そうしているうちに、いつもぼくは知らぬ間に眠りについている。


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