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陸
今は昔、人がまだ火星に住んでいた頃。人々を支配する侍たちは土着の異形の生命体との戦いを繰り広げながら人類の生存圏を拡大していた。入植時代から続く長い戦いはたくさんの犠牲を産んだが、今日、異形の生命体たちはフロンティアより内部ではほぼ駆逐され内部の人々は彼らに怯えることのない平和なくらしを送るまでになっていた。
フロンティアより遠く離れた古き都、栄殿もその一つだった。
「はぁ〜、あちいなあ」
電気船修理屋で働く陸にはこの日の暑さがじんじん染みていた。
「どうだ陸、終わりそうか?」
「はい、夕方には。それにしても今日はなんでこんな暑いんですかね。」
陸はふーっと言いながら汗を拭った。
「そうだな。今日は仕事ももうないしそれ終わったら上がっていいぞ!」
「本当ですか?」
「ああいいぞ!たまには礼ちゃんと遊んで来い!」
ガハハと社長は笑った。
礼と言うのは陸の幼馴染の女である。




