3 魔王3
翌朝、僕は日の出とともに目が覚めた。別に起きたくて起きた訳じゃない、ゲウスに起こされたんだ。
「・・・お前ちゃんと寝たのか?」
布団のしわを直しながら、横に突っ立ってるゲウスに聞く。ベッドが馬鹿でかいせいでこんな単純作業も面倒くさい。次寝る時は違うベッドを用意させよう。次があればだが。
「しっかり3時間ほど睡眠をとりました。何の心配も要りません」
昨日の疲れもどこへやら、やたらはきはきした様子で答えてきた。
いつもいつも思うが何で3時間で日々の疲れが癒えるのだろう。こいつはナポ・・・・・これ以上は異次元の話になるから止めておこう。
布団のしわを伸ばしきり、僕は伸びをしながら椅子に座った。
「今何時だ、あまりゆっくり出来ないわけだし、そろそろ会議を始めようか?」
ゲウスは直立不動のまま言う。
「六時ほどです。昨日の疲れのせいか、まだ皆様起きておられません」
まぁそうだろうな。世界征服を達成して良い気分で眠っていることだろう。明日にでも包囲されるかもしれないなんて知らずに。
「じゃあ七時になったら叩き起こせ。僕はそれまで対策を練っておく」
対策といってもどう逃げるかを考えるだけだけども。
「・・・ところで、会議には誰を出席させるご予定で?」
ゲウスが少し考えるそぶりで聞いてくる。
正直あまり考えてなかったが、そうだなそういえば、昨日の戦で数人程、中々の働きをした者がいた事を思い出した。そいつらに出席してもらおう。あとは・・・念話機で都市制圧の報を受けたものくらいか。
「敵の投石器を素早く止めたものがいただろ。それと城に張ってあった罠を見破った奴。あとでっかい岩もって盾になりながら突進してった奴。そいつら呼ぼう」
頭を押さえて思い出す。あんまり記憶力は無いんだ。
「ああウォーレンとグレン、それにオックスですね」
ゲウスは合点がいったようにさらっと告げる。
あれこいつもしかして。
「お前もしかして全部の兵士の名前覚えてるのか?」
何かちょっと器の違いを見せられたような気がして腹が立つ。
「いえ、流石に全部は覚え切れません。この三人は結構な実力者として有名ですから」
まるで全部覚えていないのを恥かのように言ってくるが別に気にしないでおく。いや、羨ましくは無い。本当に。
「では失礼いたします」
大きなドアを必要最低限だけ開け、ゲウスが退出した。
「ああ、会議はここでやる。遅れるなよ」
もうドアの向こうにいるゲウスに向かって言う。すると小さく「かしこまりました」と聞こえてきた。
色々考えたり喋ったりしたら喉が渇いた。ベッドの横に置いてある小さなテーブルの上の水差しを取って、面倒なのでコップを使わずにそのまま口をつけて飲んだ。
「っふ」
それにしてもこんな切羽詰った状況だというのに、なんて緊張感の無いことだろう。水差しにうっすらと揺れる金の髪を見て自嘲気味に笑ってみた。
まぁ焦ったって状況は変わらない。俺は俺らしく。僕は僕らしく。私は私らしく。ってやつだ。
「そういえば姉さんいまどうしてるかなぁ」
遥か遠く窓の外を見て、本国にいる筈の優しすぎる姉を思い出してみた。
とりあえず完走を目指して頑張ります。
目標「投げない」「飽きない」「ネタ尽きない」
なーね。




