簡単に許そうとした罰
本日二回目、
宜しくお願いします
(少し問題がある表現があったようですので修正いたしました2019/2/21)
「どうして入らせていただけないのですか??!」
誰かともめているのでしょうか?
聞き覚えがありすぎるこの吐気がする様な甘い声は怒りに満ち、同時に彼女のそのレディーらしくない振る舞いに目の前にいる攻略者キャラ二人はありえないものを見たかのように呆然としている。
一方私は窓際に羽を休んでる翔さんと同じ色の鳥を見ながらその鳥の賢さに感心する。
「く、日にちが間違えた?いや、そんなはずがないですわ。
じゃあ、悪役令嬢どもが邪魔を、ち、またあの泥棒猫どもですか......」
ちなみにここは裏口から歩いて数分しか使わない部屋で、ペドルアが普段使うメインエリアからものすごく遠い。
いや、わかるよ、ここは大丈夫だと油断したのでしょう、私も翔さんと一緒にいた頃そう思って一度愚痴ったことがあります、まあ、最終的に翔さんにバレましたが......
「もう!今日はペドルアとレオール様との大事な日なのに!!」
まあ、傍から見たらただの鳥が部屋の中に乱入したとしか見えない、でもそうでしたらどうしてあの性悪女が“うっかり言った言葉” をペドルアと安物王子達に“たまたま”聞かれたのでしょうか?
そうです、もしそれが“たまたま”じゃなければ?
ほんと、闇ちゃんは賢いですわね......!
「せ、セレナ......?」
フフ、やはり効いたようですわね、ほんと、私たち悪役令嬢が横から何か言うよりあの性悪女自身が自らボロを出すほうが余程効くのでしょう。
「どうして......、」
そうですわ、そうですわ、遠慮なく疑ってくださいませ、そして深く深く考えてくださいませ!
さてと、闇ちゃんからくれたこのいい流れをどうやって使おうかな?
フフ、悪役令嬢の血が騒ぎ出しますわ!!
ところでこの性悪女が言っている「大事な日」はなんでしょう?
今日は国の記念日ではないですし、誰の誕生日でもありません。
ですがあの性悪女にとっての大事な日、しかもペドルアとレオールとの......
あれ?
“ペドルアとレオールとの”?
一度だけ、翔さんはそれらしきイベントを口にしたような、
ええっと、たしかそれはヒロイン(性悪女)がほかの男と笑い合っているのを見たペドルアがヤンデレモードになりヒロインを彼の家の一室で閉じ込め、R18をしようとしたその時、“たまたま”付近にいたレオールにみつかり、助けようとしたのだが最終的にペドルアのところの隠しキャラとどうしてか一緒にやることになったような......
「......ああ!!」
それって、今私が置かれているポジションでは?!
な!人違い、いいえ、ポジションに違いですよ神様!
それに私はむりやりやられる方より好きな人とキャッキャウフフみたいなことをしたいです、いや、確かにペドルアは四捨五入したら翔さんなのですが、
ですが私はこの性悪女みたいにイケメン達とホイホイ寝れません!
“ツン”
これはやばいですわ、本当にやばいのですわ、もしこの状態があの性悪女に見られたら私は社会的な意味でも精神的な意味でも確実に......
O, Oh my god......
“ツンツンツン”
たしかに、あの性悪女は確かに婚約者が二人もいますけど、この国はもう多夫一妻制度になっていますけど、相手はあの性悪女なのですよ、何らかの手で私を嵌めるに違いないですわ!!
“ツンツンツンツンツンツン”
もう何ですの人が混乱しているのに!!
“カチャ”
あ、そうでした、
あの性悪女以外にも恐れることがここに......
あれ?
いつの間にか闇ちゃんは私の体の上に羽を休ませ、先程はくちばしで何度も軽く突っついてくれたようだ。
「や、闇ちゃん、」
よく見たら闇ちゃんは“もう、頑張ったんだぞ”と言っているみたいに私を見ている。
え、まさかそのことを伝えるために何回も私はを嘴で突っついたの?!
でも痛いものはやはり痛い、お願いですからもう嘴で突っつかないで、今でも体の数カ所ぐらいはもう赤くなっているもの。
「許さない......」
え、
「ああ、エモリアの体にこんな自分の存在を表す跡を残すなんぞ......」
さっきの、私の聞き間違え、ではなさそうですわね。
目の前にいる闇ちゃんは何に怯えているのか身を縮ませ、次の瞬間私に二つの大きな影が私の体を照らす僅かな光を断ち切った。
「そう言えばエモリア、この鳥は何だ?鳥としての根本的な躾はまだだがどう見ても専門的で正しい教育を施してるようだな。」
「へ、へえ、そうですの?」
もう、さっきまであの性悪女の事であんなにショックだったのにもう立ち直れたのですか?
「...... エモリア嬢、これ、いいえ、この鳥はもしかしたら“翔さん”のですか?」
「え、その、ええっと、」
さっきから思っていたけどやはりペドルアは闇ちゃんを知らないみたい、
じゃあ、闇ちゃんはレントルス公爵家ではなく翔さんのペットなのですか?
「そうなんだな。」
「。。。。。。。。。」
答えられません、いいえ、答えがわかりません。
そう言えば翔さんの趣味や好きな食べ物なんだったのでしょう?
思えば私は翔さんとゲームのことや悪役令嬢の心得などほぼ私に関することしかしていない。
あの時もし,もし私が聞いていれば......
“ツーン”
うう、
“カチャ”
いや、心を痛めている場合ではありません、
今どうやったらこの状況から逃げられるか考えないと!
「あ、あの、ケレンドル公爵令嬢が外にいますし、彼女もお二人を探しているみたいですわ。ですから、」
でも幸いあの性悪女は門の外にいますし、時間が経てば諦めがつき自然に帰っていくれるか、このふたりにあの性悪女と会わせて私を早く帰らせるかですわ。
「そうだな、だがエモリアのせいで僕はこうなっている。なあ、どうしてくれる?」
こうなってる、といわれましても、
「ですがケレンドル公爵令嬢が「シー、大声出すと見つかりますよ......」」
ひいっ!
「フ、そうだな、じゃあセレナを呼んで楽しむか?」
「やめてそれだけは!!」
この二人、全然反省していない!!!!!
「レオール王子、」
「ああ、エモリアにとっては少しキツそうだが、しょうがないよな。」
え、なんのことですの?
「ボボ!」
「はい。」
天井から可愛い美少女、いや、美少年?が落ちてきてペドルアのそばに待機する。
え、嘘、まさか私が犯されそうだった時も上で見物していたの??
「ボボ、この部屋から一番近いサロンはどこだ?」
な!
“カチャ”
い、嫌な予感しかない
「そうですね、ここから歩いて数秒ぐらいなところにありますが。」
ち、近いのですね、
「じゃあこの部屋から大声出したらそのサロンでは、」
「はい、多分まる聞こえだと思います。」
や、これだけは、
「じゃあケレンドル公爵令嬢にそのサロンで待たせてください、僕達はすぐ向かうので。」
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