初恋と妹 レオール視点
宜しくお願いします
ああ、エモリア、エモリア、僕のエモリア、君のその可愛らしい瞳は何を見て、愛しい耳は何を聞いて、可憐な姿で何を考えてるの?
僕は10年前のその日からずっと君のことだけを考えてるのに......
正直に言おう、僕は君への第一印象はとてもいいとは言えなかった。
あ、誤解しないで、実は当時まだ若かった僕は美しい隣国の姫か公爵令嬢と結婚するとばかり考えていて、そのせいで父上から伯爵令嬢と婚約すると聞いた本当にショックだった。
でも、君と話してる最中に気づいたんだ、僕は本当は君みたいなかわいいお嫁さんが欲しいって。
たしかに君はぱっと見ると目立った特徴はなく、人混みに紛れやすい顔をしている。でもよく見てみれば意外な言葉や仕草に“キュン”となり、気づけば僕の頭は君で一杯になっていた。
ああ、エモリア、エモリア、僕の可愛いエモリア、君の美しい心は誰に捧げているの?
わかっている、僕たちの婚約は親が決めたことで、本当は僕なんてどうでもいいんでしょう。
それに僕は他の兄弟達と比べると頭の回転が少しだけ遅いと同時に運動神経もあまり良くない。だけどやはり僕は君に僕だけを見てもらいたい、だから僕は君と一緒にいられる至福の時間を削り、学業も政も必死に頑張ってきた。
でも実際、僕は24時間死ぬまで君の隣にいて笑いながら人生を歩み合いたい、いや、君に一生僕の愛で溺らせたい、溺らせて、君の瞳に僕だけを映らせたい。
だけど君の顔を見るとこの覚悟が揺れてしまうから僕は君から送られる手紙さえ引き出しの奥に置いて、歯をくいしばりながら頑張ってきた。
だがそんなある日、僕は父上からとあるご令嬢の遊び相手をするようと命じられた。
最初は父上の考えが見えなかった、だが僕直属の暗部からの情報によると前回の剣術大会で第二王子のケベレダ兄上に勝ち、優勝したことが原因で母上は父上に「レオールにもっと相応しい婚約者が欲しい」と提案しに行ったらしい。
まあ、実際会ってみれば新しい婚約者候補セレナ・ケレンドルは才色兼備しながらも優しい心を持つ絵に描いたような女の子で、同時になぜか彼女といると全身がふわふわし、気づいたら会うたびに次に会う約束をしていた。
でも、僕が目をつぶるたびに思い浮かぶのはあの平凡顔でも可愛い姿で、セレナのことは妹としか思えない。
だから僕が“セイントーラス学院”に入学する直前に父上とメリエード伯爵、そしてセレナの前で僕の気持ちと覚悟をちゃんと伝えた。
まあ、本当はエモリアに会ってちゃんと話そうと思ったけど僕の気持ちと覚悟を肯定する同時に応援してくれてるセレナは「もっといい男になれたら話し合ってもいいのでは?」「婚約者ですからきっと分かりあえますわよ」と提案しに来た。
本当はずっと前からエモリアに会いたい、会いたい、会いたい、会いたい......
会って、抱き締めて、彼女の首筋に僕の所有権を刻んで、彼女の瞳を、体を、心を僕が居なくては生きていられないようにしたい。
だが確かにセレナの言う通り、僕が立派な婚約者にならなければエモリアに振り向いて貰えない。
だから僕は書きかけた手紙を引き出しの奥に締める事にした。
そしてあの日、“セイントーラス学院”に新入生がやってきた。
まあ、学院だから新入生が来てもおかしくない、だが僕はこの日を待ちに待っていた。
そう、今日は僕の愛しい婚約者のエモリアが入学する、と言うことは今日からエモリアと同じ学院に入り、僕は勉強しながら“偶々、偶然”彼女と“ばったり会い”、そして彼女に僕の男らしさを見せつけ、僕だけを見てもらう。
ああ、完璧な計画だ。
よし、この時間だったらもう入学式は終わっただろう、ここは男として愛しい婚約者を向かいに行かなくては......
......と、思ったのに、
え、どうしてエモリアが僕の教室にいるんだ?
“ドクン、ドクン、ドクン”
ああ、ここは夢か?夢なのか!?
どうしよう、今ここで抱きしめたい、抱きしめて、僕の部屋に連れ込んで、学生に有るまじき事を彼女にすべてしてみたい。
うう、そう考えたらなんだか全身が熱くなり、喉が渇く、どうしよう、新入生以外は後でまだ授業があるのに今からエモリアをテイクアウトすることは......
「ゴホンゴホン!!!」
うう、危なかった、ここは男としてスマートに態様しなければ、
ああ、まだ時間はある、だから焦ることはない、
ああ、そうだ、惜しくなんか、寂しくなんか、全然......
数日後、僕の愛する婚約者が神官とただならぬ関係を持ちながらその関係に気づいた一年上の先輩を階段から突き落としたという噂が流れた。
ふ、バカバカしい。
僕みたいな男がそんな馬鹿げた噂に引っかかると思うか?
言っておくが僕は何年も会っていなくてもエモリアのことを信じてる、彼女は無実だ。
だから僕はその噂の神官に噂を訂正して貰おうと会いに行った、だが、その神官は隣国にある本部へ会議に行ったらしく、帰ってくる日にちが未定だという。
おかしい、だが何がどうおかしいのか僕もわからない。
それに思えばこの数日間母上はやたらと僕にセレナの事を聞いてくる、多分、いや、絶対にまたエモリアと僕を引き離そうとしてるのだろう。
はあ、母上は分かっていない、僕は10年前、この気持に気づいてからずっとエモリアしか心に住んでおらず、エモリアのためだけに頑張ってきた。
だからと言って僕はこの努力をエモリアに知られたくない、だって彼女には僕のカッコイイ所だけを見せつけて、僕を頼って欲しい。
ああ、そのために僕はもっと頑張らなければいけない。
そしてあの朧月に照らされた夜、僕とネイズ・ミラボー伯爵令息はあいつに呼ばれて学院のメインキャンパスの広場で色とりどりと輝く夜光水晶があちこちと嵌められた螺旋階段についた。
まあ、あいつはショッ中遅刻するからな、だから少しだけ待ってやろうか。
“ガン!!!”
誰だ!?
“ドドドドドド!!!”
ん?何か転がっている?
いや、それは!!
僕たちは声の方向に向いて見えたのは実の兄妹みたいに仲がいいセレナが一年生の制服を着た少女に階段の上から突き落とされて、頭から血が流れていた。
「「セレナ!!!」」
どうして貴女セレナがここにいる!?
「あ、う、」
「話すな、大丈夫、今すぐに人を呼んでくる!
同時にミラボー伯爵令息はセレナと一緒にいてくれ!」
「でも、」
「大丈夫です、セレナは僕の大切な人ですから。」
そう、セレナは僕の妹みたいな存在だ。
そして僕は彼らに背を向き、自分が今あるすべての力を振り絞り助けを呼びに行った。
だが僕は知らなかった、いいや、多分その場にいたあいつ以外誰も気づいてなかっただろう。
そう、その時貴族の皆に天使の性格を持つ傾国の美少女と呼ばれているセレナがあんな心が醜い悪魔みたいに微笑むなんて......
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