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壊れました、再び

宜しくお願いします


 月影が朦朧となり、何もかが見え難くなる。


 それなのにとあるパーティー会場の近くにあるローズガーデンにて少女(総合的に年をとっている)が一名全力で走っている。




 「ハア、ハア、ハア、ハア......」


もう無理、走れない、もうだめ、


 「ハア、ハア、ハア、ハア......」


呆れた、どうして全部話すのかな、私、


彼は翔さんだといえ、今じゃあの性悪女を愛してやまないこの世界の攻略者の一人、ペドルア・レントルスよ。


それなのに、私ったら翔さんにも言っていない思いを全て言うなんて、しかも翔さんの名前までだちゃうなんて!


もう、翔さんが教えてくれた悪役令嬢のになるための心得はどこへ行ったの、いざっていうときに使えないんじゃ習ってどうするの!?


それに、私、最後の時“翔さん”になんと伝えたかったのだろう......?




「それなのに、私は......」




“ドクン”


もう、このパーティーが終わりましたら絶対にお医者様を見に行きますわ。


ってそうだ、エーナとミミ達に連絡しないと!




私は耳に手を添え、イアリング通信機のスイッチを開けようとする。


でもそこには耳以外の何もなく、私は一瞬ポカンとなる。




う、嘘、でしょう。


うううう、今日は本当についてませんわ!


そのイアリングってエーナの実家から借りてきたものなのに、探さなくちゃ、


いいえ、その前に先にダンスホールへ行きエーナ達に事情を話さなくては!


そう、そうしましょう!!




“タッ”


「誰!!」


さっき、誰か草を踏んだような......


「......もう僕の事を忘れたのか。」


影からハニーゴルドがキラキラと輝き、自分がいかにも王族だと主張してる。


この色、この声、まさか、


「レオール様?」


「フ、まだ覚えられているらしいな。」




嘘でしょう、今日の運勢まだ見てなかった。ほんと、今日運勢絶対に悪いでしょう。




「まあ、ごきげんよう、どうされたのです?」


この人も多分“失恋”して悲しんでる所に偶々私がいたので挨拶に来たのでしょう。


まあ、一様私達は婚約者ですからね。




「......これ、お前のだよな。」


これって、あのイアリング型の通信機!!


良かった、本当に探さずに済んだ!


「ありがとうございました、レオール様、それとお手数おかけし申し訳ございません。


では、私はここで失礼いたします。」


「僕たちはいつからこうなったんだ?」


は?いきなり何言ってるの?


ってかイアリング返して。


「なんの事でしょうか?」


「なあ、一からやり直さないか、()()()()、」


「レオール様、私達はまだ結婚しておりませんわよ。」


容易く呼ばないで、気持ち悪い。


「う、どうしてだ、僕たちは婚約者だぞ。」


「ですが結婚はまだです、男女の節度をわきまえてください。」


吐きたい、生理的に受け入れられない。


「......男女の節度、それではレントルス公爵令息と抱き合っていたのは何故だ、それも男女の節度なのか?


 お前が“しょう”という名のやつに伝言するため他の男の前で涙を流すのも男女の節度なのか!?」


「!?」


ほんと、つくづくついてないですわね。




「レオール・ナタリソーテ・レナレード様、確かに私はレントルス公爵令息の前でレデイーに相応しくない事をしてしまいました、それは誤りますわ。


 ですがレオール様が、しかも王族のお方が他人の秘密を盗み聞きするなど私はあまり良いことではないと思いますわ。」


「な、それは、」


「それに、それにもしあなたが私の、翔さんへの“伝言”を聞いていましたらもうお分かりになるんでは??」


「だからお前はセレナを虐めたのか??」


フ、




「フフ、フフフフフ、フハハハハハハ!!!」


「何だ、何がおかしい?」


この人まだ分かっていない、ほんと、このバカみたいな人が私の初恋の人だったなんて、私がバカみたいじゃないの!


この際もう全部話してしまいましょう、


全部、話して、楽になりたい......




「ハハハハハ、あなた本当に私とレントルス公爵令息の会話を聞いてたの??」


「な、何を言いたい?」


「フフ、だから以前の私はこの世から去りたかったのよ。


 ねえ、王子様にはお分かりで?このやっていない事をやったと世間の人達に思われて、そして何の悪事もしていないのに急に悪役令嬢になった私の、私達の気持ちを!!!


 まあ、私は、世間にどう叩かれようがどうでも良かった。


 でも、でも一番耐えきれなかったのは私の大切な人達に信じてもらえず、見下され、精神共々ボロボロにされた事ですわ。」


「え、()()()()、」


「容易く名前で呼ばないでください!!!!!!」


穢らわしい。




「。。。。。。。。。」


「。。。。。。。。。」


「イアリング、返してください。」


「一つだけいいか?」


「なんです?」


「お前は“しょう”というやつが好きなのか?」


「私は、」


彼を愛してます。








......え?さっきなんて!?


嘘、いやいやいや絶対に何かの間違いですわ、ええ、だって!


“ドクンドクン”


いやいやいやいや、違います、絶対に違います!!


“ドクンドクン”


と、止まれ、絶対に何かの間違いですわ、そうです、絶対にそうですわ!!




「......そうだよな、僕より好きだよな。」


「いやいやいやいや、違います、確かに翔さんは魅力的な殿方ですが私は翔さんを愛してなどいません!」


「は?“しょう”って男だったのか!?」


 ぼ、墓穴ほっちゃった!!!


 でも、もうこの際どうでもいいや、


「ええ、そうですわ、彼は男ですわ、それが何か?」


「な、お前、俺という婚約者がいるのに!」


はあ!?


「レオール様だって私と婚約してるのにケレンドル公爵令嬢とイチャイチャしてるではないですの?!」


それなのに私だけを責めるなんかおかしいですわ!




「それは違う、僕はセレナを妹だと思っている。」


「ほう、“妹だと”。


 ではどうして10歳になった途端に私と文通をやめて誕生日プレゼントしか送って来なかったのです?」


「それは、その、公務が忙しくなったから。」


「フフ、そうですわね、どこかの誰か様から聞くとあなたはその時セレナ・ケレンドル公爵令嬢と言うなの公務とそれはそれは仲良くて、ほぼ毎日忙しく遊んでらっしゃって?」


「な、」


「それに“セイントーラス学院”に入学するときでさえあなたは私の入学式に来ませんでしたが。」


「あれは、学業があったから仕方無く。」


よく言えますわ


「ほほう、ではどうしてセレナ・ケレンドル公爵令嬢の学業発表会に参加したのですか?


 その時は確かテスト期間でしたが?」


「な、それをどこで!?」


「どこかの誰か様から聞きました。」


「またそのどこかの誰か様か!」


当然、私個人で調べました。


ちなみに当時の私はまだ“セイントーラス学院”へ入学していなかったため、翔さんと会っていませんでしたので。


「どうですの?」


「うう、それは、その、」




はあ、


「もういいです、この際全部言っておきます、レオール様、あなたとの婚約を「やめろ、僕は認めない!」」


ふざけないでください、


「認めないのならば認められるまで言います!


 いや、二人で国王陛下のところへ行くのが早いのでは?」


「な、僕は、認めない......」


「いい加減にしてください。もう、私は疲れたのです、ですからもう「あれ、レオール様?」」




声の方向に目を向くとそこには可愛い()()()()のドレスを着て、そのストロベリーレッドの髪をきれいに編み込んだ少女が立っている。




ああ、美しく輝いていますわね、まるでどこかの妖精みたいですわ......






















......ええ、本当に、災厄(きれい)ですわ。





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