友達は財産
本日二回目
宜しくお願いします
家具以外はすべてピンク色に染まられたこの可愛い部屋に顔が炭を塗ったかのように黒い少女たち二人がなにか話している。
“コンコン”
「ごめんなさい、白いカップを見つけるのに少々手こずりまし「は!?そんな事があったの!?マジっすか、ありえねー!!」」
「え、ベネザル男爵令嬢?」
「そうでしょう、ほんとそうですよね!!あり得なさすぎません?性悪すぎません??!」
「いや、エモリア??」
「嘘、マジかよ、あのクソ女どんだけゲスなんだよ、ったくやはりこのクソゲーにはクソみたいなヒロインがお似合いよ!」
「まあ、ベネザル男爵令嬢何言ってるんですの、あの性悪女は「クソみたい」ではなくクソそのものですわ、ほんと、人様の婚約者どころか兄様まで手をつけて。」
「え、エモリア!!」
「ミミ」
「え?」
「え、ベネザル男爵令嬢!?」
「ベネザル男爵令嬢なんてよそよそしい呼び名もうやめろ、もう私とエモリアの仲でしょ」
「うん、そうでだね、もう私達の間に秘密なんて無い、あなたはもう私の親友の一人なのですよ。」
「ええっと、何がどうなってるんですの??」
まあるいお月さまが夜空に飾っており、その引き立て役のお星様と一夜の劇を地面にいる生き物に捧げてる。
私はエーナとあの親近感溢れる不気味な建物から出てこの夜空を見上げながら思う、一体私達悪役令嬢はこの劇のどんな役割をしてるのか。
まあ、今の段階で私達はこのお月様にはなれてない事ことだけははっきりしてますが。
でも、翔さんは?
それはどんだけキラキラしてもお月さまの輝きに負けてるお星様?
それとも......
「多分お星様じゃない?」
「え、ミミ?」
「ったくエモリアってホントわかりやすいのね。」
「あ、うう、その」
「ああ、セナルデン侯爵令嬢は馬の手配に行ったわよ。ま、元々乙女ゲーでの攻略者は主人公ヒロインという名の月から目を背けなられない運命で、私達悪役令嬢は彼らをこの運命から引きずり出すのだと以前の私はそう思っていた。」
「。。。。。。」
「そんな顔しないの、確かに私はこの憎々しい主人公に私の婚約者と可愛い弟みたいな存在を奪われた。あ、いや、多分もうすぐ私の幼馴染も奪われると思う。」
そんな、でも、
「でも、信じようよ、」
「......よ、」
「え?」
「私だって信じたかったわよ!!!!いいえ、途中まで信じ込んでた。でもね、エモリア知っている?私がクラスメート達にボッコボコにされてるとき、あの攻略済みのあの二人はその現場にいたんだ。」
「それって......」
「あの時、あの二人はあのクソ女の隣りにいて、同時にあのクソ女は私をあざ笑うかのように見下ろして、そして、あの二人は......」
「あ............」
う......そ......でも、あの性悪女だったらありえなくもない。
それに、もし私がミミと同じ目にあって、そして翔さんに見殺しにされたら......
何故か心が突然重くなり、同時に視線が霞んできた。
それどころじゃない、何か、何か、言いたいけど言葉に表せない窮屈さと意味不明な悲しみに襲われ、自分でも分けわからなくなってくる。
“ポロッ”
「え、何、エモリア!?泣いてるの??」
「え、うう、ううう、ミミ、ううう......」
「もう、バカッ、あなたが叩かれたんじゃないのに、これじゃあ今まで堪えてた私が......私が、......ううううううう、エモリアのバカッ......」
私とミミはその時初めてお互いの不安と悲しみを涙で表し、そしてそのまま数分エーナが向かいに来るまで一緒に泣き続けた。
どうしてでしょう、私は翔さんと一緒にいたときそんなに胸が痛い事やそんな不安がなかったのに、それなのに今は息が苦しいほど不安で不安で胸が痛くて、同時になにがなんだかわからない自分に腹が立つ。
「はあ、エモリアもう時間ですわよ、馬車に乗りましょう。
それと次からフードはちゃんと深くかぶってくださいね。」
「ええ、すみません、取り乱してしまいました。
じゃあ、ミミ、また今度ね。」
「うん、あ、待って、一つだけ言い忘れた......」
「それじゃあ私は回避したほうが、」
「いいや、セナルデン侯爵令嬢も聞いたほうがいい、実は......」
“カタンカタン”
馬車の中は非常に揺れて、まだ出発して数分も立ってないのに全身が痛みだす。
でも、馬車に乗ってる二人の空気は窓に見えるお月さまとお星様たちの輝きと真逆でものすごく暗い。
「ねえ、エーナ、その、さっきのって......」
「まあ、そんな日が来ると思ってましたわ、だって私にはエベルトン様とのご婚約があるんですもの。
ですが......」
私は彼女の腕に手を添え、彼女の事を見ながらこう言った
「何かあったら、いいえ、何か思ったら私に言ってください、私はエーナの悲しむ顔なんて見たくもありません。」
「エモリア?」
「ごめんなさい、勝手だと思ってますが私はエーナの事を親友だと思ってます、ですから親友が悲しんでますと私も悲しいです。」
「エモリア......ゴメンね、本当はあなたが一番悲しむべきなのに......」
「いいえ、あの男なんかもう私の兄様ではございません。
後日ガツンと何か言っておきます。」
「フフ、何かってまだ決まってませんのね。」
「うう、」
「ですが、私はもう耐えきれません。」
「え?」
「初めてエモリアとお会いした時から薄々気づいてました、あなたはベネザル男爵令嬢と同じピンク色のマカロンだと。」
「え、エーナ!?」
「ごめんなさい、実はベネザル男爵令嬢は大のピンク好きで、彼女の部屋にあるピンク色のデコレーション以外、彼女は毎回ピンク色のティーカップでお茶をお召し上がりますの。
ですから「白いカップでよろしい」と聞いたときつい聞いてしまい......」
「いえ、その、ですが、どうして私がピンク色のマカロンだと?」
「それは、秘密ですわ!」
「えええ、もう、エーナ!お願い、ヒントぐらいでも!」
「嫌ですわ、やはり女は少しだけミステリアスな方がもてますもの。」
「え、私、女ですよ。」
「フフ、やはり私は本当のエモリアが大好きですわ。」
「エーナ、」
「......確かにベネザル男爵令嬢と仲良くなったきっかけはあのバカ女のせいでした、」
エーナが悪口を言いました!?
嘘、初めて聞いたわ!!
「ですが今、私はベネザル男爵令嬢のことも大好きですわ、ですから私は耐えきれないのです、あなた達が変な真似をするんじゃないかと。
ですからエモリア、もし何かあったら一人で書かいこまないで私に相談して頂戴、じゃないと私、あなた達を失うんじゃないかと毎日不安で、」
「。。。。。。。」
エーナ、
「お願い、約束して!」
「......分かった、約束する、だから今エーナに言います、明日、私はネイズ・ミラボー伯爵令息、エルドア・メリエード伯爵令息とセレナ・ケレンドル公爵令嬢との婚約パーティーに乱入します。」
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