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ボーダー  作者: きぃ
記憶
9/46

夏休み……


はあ。なんか今日疲れたなあ。

ベッドに倒れ込み、「秘密」に耳を傾ける。


雲間から~差す光~♪



数分後、それを邪魔するかのように私の携帯が鳴る。

…この着信音…

レンだぁっ!!



「はいはいはい!!はーい?」


つい、テンパってしまう。電話越しに笑われる。

レンは、勉強が早く終わったから電話しただけ。って言ってた。


だけど、知ってるよ?


ホントは、気になってたんでしょう?

だから、勉強を早く終わらせた。


まあ、計画性のある彼のコトだから、真意はわかんないけど。



勉強ばかりしてるの?修行したこと、忘れちゃうよ?


意地悪っぽく言ってみたら、どうやらレンは修行してるらしい。



ふふ。実はこの会話、携帯に録音してあるんだよね。明日、ミツに聞かせてあーげよっ!!


レンに頑張ってと告げて、私は電話を切った。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


それから、私たち演劇部は、8月頭にある演劇祭に向けて猛練習。

そのとき、ミツに昨日のレンからの電話を録音したものを聞かせた。



「よく聞き出したな。さすが、オレの幼なじみだよ。」



そう言って、私に笑顔を向ける彼。


胸がキュンとしたのに…気付かないフリをしていた。


演劇でラブシーンをやるからだと、勝手に思い込んでいたんだ。




そして、演劇祭当日。

私たちの通う光明中学校はいきなりトップバッターなため、出演者のドキドキ感はハンパなかった。


出番を終え、休憩と午後の部を終了の後、結果発表。


部員全員が、目をつぶって両手を合わせる。


ドラムロールが邪魔だよ。心臓の音と重なって聞こえるんだもん…



「栄えある優勝は…光明中学校です!!!」



聞き間違いかと思った。


だけど、号泣している先輩を見て、現実なんだと分かる。

私まで、泣けてきた。


優勝できたのは、先生が舞台裏で言った、



「キンチョーしていいのよ。

そぉすればするほど、その興奮が瞳に反映されてキラキラ輝くの。

それは、舞台上であなたたちを何倍にも魅力的にしてくれるから。」



との言葉。


そのおかげで、自信を持てた。



先生の奢りでカラオケをして、私たちは残りの夏休みを満喫した。


なぜか、出先でよくミツの家族と遭遇したんだけどね…




夏休み終了3日前の日、ミツから近くの高原までサイクリングに行かないかと誘われた。




この日、私の記憶に関わることを知るとは、思ってもみなかった。


━━━━━━━━━━━━━━━

お弁当を持って、いざサイクリングへ。ミツの分は私が作った。


ミツが小さい頃家族でよく来たという高原に到着。



「ここ、オレらの"秘密の場所"にしよ?何か話すことあったら、ここに来て話すの。」



「うん!いいよ!うわぁ~、なんか秘密基地みたい!」



「…ガキ。」



「ガキって何よ~!!」



私はミツの膝をポコポコ叩きながら言う。



「ゴメン。

冗談だよ。」




♪信じて~飛び込めfuture~



そぉ言ったとき、甘い空気をぶち壊すように、着信音が鳴り響く。



「兄さんだ。出ていい?」



「うん。」



「そ…それ、ホントなの兄さん!!今?昔家族でよく来た高原だよ。わかった!!ありがとう。」



いつも冷静なミツの声が慌てている。



「どうしたの?」



「ハナを嫌な目に遭わせた犯人が捕まったの!今から兄さんと宝月主席検事が犯人たち連れてくるって…」


「うん、いいよ別に。ボコボコにしてやりたいし。」



「ところでミツ、よくわかったよね~。私がアブナイ目にあってるって。」



いつか私がミツとレンにあげたブローチにテレパシー機能があったらしい。


そんなの知らなかった。


話しているうちに、赤紫の車到着。



検事をしているミツのお兄さんの車だ。

宝巴月検事総長。

レンの…2番目のお姉さん。

検事総長っていう、検事の最高位みたいだけど、詳しいことは、よく知らない。



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