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【プロトタイプ】兄は元勇者で妹は元魔王、今は二人で冒険者     作者: アリス法式
三章 少年期

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十二話 私の魔力量は無限大(涙)

予告どおり、サクラの話です。

身体の中を、暖かい魔力の塊がゆっくりと移動していく。


前にやった魔法球と違い、暖かい優しい感じがする、まあ、当たり前だ、今回は機械的な魔法球と違い、お父様が直接私に魔力をながしこんでいるのだ。


吐き気で、まる一日つぶした私だが、次の日からは普通にの魔法特訓に入ったのだったが。


相変わらず、その魔力量は増えていなかった。


書庫にこもって兄さんと勉強してから二年間、欠かすここなく魔法を使い続けた私だったが、その魔法量は普通の魔法使い程度にとどまっている。


そう、あの日から、ぜんぜん増えていないのだ。


使えば、空っぽになれば、増えていくはずの魔力総量がまったく増えていない、まあ、こればっかりはしょうがないか...。


と、考えたところで、お父様が怪訝な表情をしていることに気がついた。


「お父様?どうかしたのですか」


まさか、どっかに異常でもあったのか?


まあ、不安ではあるが、もしかしたら私の魔力総量が増えていない理由もわかるかもしれないし...。


「いや、そんなはずは無いんだが...、サクラ、もう一度最初からだ...」


「...はい?」


怪訝な表情を崩さないまま、もう一度最初からやり直すと言うお父様。


まあ、逆らう必要もないし...。


と、身体の力を抜いてリラックスする。


「...いくぞ」


合図の後、さっきと同じく、頭の先から暖かい魔力が流れ込んでくる。


頭、左腕、背骨を通って骨盤、左足、右足、右腕、最後に心臓...。


今度は私も注意して、流れていく魔力を感じ取って言った。


そして、わかった、お父さんが不思議そうな顔をしていたわけが。


心臓まで来た魔力が、そこで消失したのだ。


まるで、落とし穴に落ちるみたいに...。



ああ、なるほど、「魔道心臓」が無いからなのか...。



本来、人間には存在しない器官、魔族のみにあった無尽蔵の魔力の元「魔道心臓」。


つまり、そういうことですか。


わかってしまった。


私に欠如していたのは、魔力総量ではなくて、魔力の回復量だったのですね。


「サクラ、その顔ならこの意味がわかっていそうだけど...、教えてくれるかな?」


私の顔を注視していたのか、お父様が尋ねてくる。


「はい、その元となる理由はちょっといえませんが、これがどういう現象なのかぐらいなら...」


まあ、理由を言えば、元の『存在』がばれてしまう。


「それでかまわない、言ってごらん」


目の前で優しく笑うお父様、その心遣いに感謝して私は、この現象の説明を行った。





まあ、簡単にいこう。


私は、魔力総量が少ないわけじゃ無かった。


どっちかと言えば多いのだろう、そう、底抜けなぐらいに。


もともと、魔族の魔力量が無尽蔵であったゆえに、私の魔力を入れる器とも言える魔力総量は現在、お父様をはるかに凌駕するようだ。


ただし、もともと回復など必要が無いぐらいに多かったために、私、いや、魔族自体の魔力回復量は普通の人間よりも少ないらしい。


簡単な話しだ、私の一日の魔力回復量はドラム缶に水を一滴垂らす程度しかないということだ。


つまり、私は毎日毎日、なけなしの一滴をせっせと捨てていたと...。


泣きたくなった。


説明を聞き終わった目の前のお父様も同じような表情をしている。


当たり前だ、私はもう増やさなくても十分にある魔力総量を増やそうと、せっせと魔力を使っていたのだから。


うん、私もおかしいなと思ったよ。


最初の日に魔法を使った時は詠唱魔法を一通り撃てたのに、次の日から中級スペルを十発程度しか撃てなくなったのだから。


つまり、あの時点でそれまで三年間溜めた魔力を、ためしに使って見た詠唱魔法ですべて失い。


次の日から、何も疑問に思わずに、せっせと底抜けの魔力総量を増やすために使っていたと...。


まあ、おかげで増えたかもしれません。


お父様が探知のために流した魔力が帰ってこないほど、底抜けみたいですから。


それでも、多いことがわかっても、現在「魔道心臓」を持っているのがクレア兄さんのため、私はほかの人より少ない魔力をせっせとほかの人より多い器に溜めなければいけない。


あれ?魔法の練習どころか、まともに戦うこともできないじゃん、私!


「お父様...散歩に入ってきます」


決定的に魔法使いとしての欠陥をもった私を哀れんでくれたのか。


お父様は、何も言わなかった。


いや、一言だけ言っていたね。


「サクラ...、お父さんはずっと見守っているよ...草葉の陰で」


まあ、努力が無駄だったというお話です。


次回はクレアに戻ります。


そういえば、PV100000、ユニーク10000を越えました。


皆さん、こんな作者にお付き合いありがとうございます。


だけど、この話し、まだ序盤なんだけど...。


予定としては、一章が転生期、二章が幼生期、三章が少年期、そして、四章の二年間の修行期を経て、学園編、冒険者編と続く予定、ちなみに学園編は5年間、そして、章の間には外伝を挟む&裏編のダークサイド・ムーンも書くからって、ねえ、この話し、終わるのかな?


と、まだまだ、迷走続きですが、PV100000という、一つの目標にたどりつけました。


これからも、クレアとサクラ、そしてこの物語に出てくる皆を愛してくれると嬉しいです。


誤字脱字感想意見お待ちしています。

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