十一話 某佐藤さん的な?
命を賭けた鬼ごっこ編です。
走る、走る。
右、風を感じる、まるでそこが押しつぶされるような、そんな違和感。
体勢を無理やり左に倒す。
白刃が通り抜けた-
「終了ー、お疲れクレア」
「お、お疲れ様です...」
ハア・ハア、何で、母上様は息一つ乱れてないんだ?
そのまま、草の上に倒れこんだ。
「ふむ、じょうでき、じょうでき、一週間前は一時間程度しか逃げれなかったけど、今日は一時間半も持ったねー」
ああ、なるほど。
俺の体力の限界値まで削り取っているんですね、母上。
今更気がついた俺だけど、地獄の修行が始まってからすでに一週間が経っている。
もちろん、それだけ経てば、何度か反撃も試みたのだが。
体力が減るだけだった。
流石に、あの大剣でホームランよろしくかっ飛ばされたときは死んだかと思った。
-はあ、疲れた
と、ぐたーとしていると、ボスンッと俺の背中に何かが乗りかかっている感触がする。
「クレア...終わった?あそぼ...」
ユノスでした。
いや、あのですねユノスさん、あのそんなに密着されるといろいろ、なんというかやわらかいものがーーー!!
このところ、ユノスの俺達兄妹に対する依存度が高くなっている気がする。
特に、昨日キャシー姉さん達が旅立ってからはそれが顕著に成っている。
だって、昨日の夜なんて四人でねたんだよ、多分?
なぜ、疑問系かって?
夜寝たときは一人だったからさ、あはははは?
-べたーん。
朝起きたら、なぜか、ベットから落ちていて、ベットをみたら。
女の子が三人寝ていました。
-ぺたぺた。
俺抜きで。
最近、修行の疲れで爆睡状態だからな。
-ふにふに。
入ってきたのに気がつかなかったらしい。
「ねえ、クレア...あそぼ」
ああー、わかったからやわらかい物を押し付けないでーー!
「それで、ユノスは何がしたいの?」
さすがに俺も、うつぶせ状態じゃつらくなって来たしな。
「んー?おにごっこ...ユノスが鬼、クレアがにげる...」
また逃げるのか。
「クレアが、...気絶したら...負け」
どうやら、地獄の鬼ごっこ第二弾が始まったらしい。
-なぜだ!
「100数える、逃げて...?」
-くそ、これ以上体力が削られるのか!
何とか、笑っている膝を動かして走り始める。
「えーと、1・2・3・4...」
ハアハア、何とか森まで来たが、もう限界が近い、修行で精神的にも体力的にも極限まで削られているからな。
「6・7・8・9・10...............100」
さて、隠れて夕方までやり過ごせる場所を、って、おい!?
「10から上はどうしたーーーー!!!」
はい、叫びました、思わず叫びましたよ...。
「クレア、...いた...まって」
ゆっくりと話し方と打って変わって、瞬間移動かって感じでユノスが迫ってくる。
そして、逃げる間も無く、追い詰められた。
そのまま突き出される、致死性の右腕、身体を無理やりねじって回避すると、そのまま突き出された右腕は背後にあった大木の幹を抉り取った。
その、一瞬の隙をついて、大きく息を吐く。
そして、
逃げ出した-
へ?だって、鬼ごっこでしょ。
例の、某リアルな鬼ごっこなんでしょ!
全国の、某一番多い苗字の方々を経った一人で壊滅させそうなユノスとの、壮絶な鬼ごっこが始まった。
ところで、これ、環境破壊じゃね?
-なんでだーー!
背後から、白金の髪をなびかせた少女が追ってくる。
「何で、クレア...今日...本気出さない」
は?何言って?
俺は、今こうして本気で逃げて...。
って、やば!
ユノスに気を取られて進行方向への確認がおろそかに。
眼前まで迫った、木の幹をとっさにかわす。
「俺は!本気だーーー!」
と、叫びながら。
ふう、ぎりぎりだったぜ...。
で、ここはどこだ?なぜ、ここだけこんなに、木が密集しているんだ?
「うそ、...クレア、本気出してない...だって、クレアの...髪...」
そこまで言って、ユノスが、俺の背後を凝視して固まった。
何を見て?後ろには密集した大木しか?
密集だと?人間、しかも子供が通るのを断念するほどの感覚で木が生えるのか?
そして、俺も後ろを向く。
そこには、右手の無いいびつな形の人面樹こちらを見下ろしていた。
ネタで書いたはずなのですが再利用です。
ですが、次話はサクラの方を書くつもりなので、すぐに、戦闘ではありません。




