九話 お客さんと、露見した片鱗〈改〉
-妹よ
-はい、お兄様
-誰だ、こいつら
-お兄様が知らないのに私が知るはずがありません
カルマやドロシー達と散々遊び倒して寝てしまった俺達、起きてみれば時刻はもう夕方であり、俺達はそれぞれ帰路に着いたのであった。が、ドロシーとサクラそして俺の三人が家に帰ってきてみると、父親達と楽しそうに談笑している見たことのない二人組みがいた。
「おお~、これがメアリィとクオーツの子供かぁ、似てないな」
そのうちの一人、綺麗な金髪に長く尖った耳と綺麗な瞳は緑の光をたたえている女性。
長命種と呼ばれる種族であり、まあ、簡単に言えばエルフのお姉さんだ。
実際は結構珍しい種族なのらしいのだが、長く転生を繰り返していれば今までの人生一人や二人であってはいるし、長く生きる彼らだ、その頃の記憶はだいぶ薄いが中には転生した後も会ったなんて笑い話もある。
それぐらい長命な一族だがやはりその姿は美しく、魔王でありもともと魔族以外の種族との接触が少なかったサクラはもとより、ドロシーもその可愛らしい頬を朱に染めて彼女顔に見とれている。
「ふふ、女の子二人は、アイウスの美貌に見とれているみたいだけど。
クレア君の方には振られちゃったみたいだよ」
アイウスと呼ばれたエルフのお姉さんにちゃちゃを入れたのは、蒼髪で女性用のローブを羽織った魔女だった。
一応存在は聞かされていたがのだが、その立ち姿からなんとなくお父様の妹なのではないかと推測する、つまり俺から見たら叔母さんにあたる人だな。
「クレア君、おばさんって言ったら、許さないわよ」
-おお、心を読まれた!
「どうしたの、キャシー」
不思議そうに、首をかしげているアイウスさん。
-お兄様、思いっきり声が出ていましたが
-なんだと!
「まあ、いいや。
こんにちはクレア、サクラ、ドロシー、クォーツあなたたち二人のお父さんの妹であるキャシーです」
おお、何とか流してもらえたようだ、何もしてないけどな。
「こんにちは~、私は三人の親友のアイウスです」
と、改めて自己紹介をしてくれたキャシーさんとアイウスさん。
ちなみに、アイウスさんが言っている三人というのは、キャシーのことではなく、ドロシーの母親のマリアのことであるらしい。
もともと、五人は冒険者時代にクランを作っていたこともあったのだとか。
「「「こんにちは」」」
三人そろって、ご挨拶、やっぱり挨拶って大切だよね。
「キャシー、アイウス、挨拶はその辺でいいだろう。
みんなで晩ご飯にしよう」
はい、ここでストップが入りました、犯人はクォーツことお父様です。
「そうね、ドロシーはマリアの準備を手伝ってあげてね。
残りの二人は着替えておいでなさいね、服が泥んこじゃないの」
そしてそれに追従するメアリィこと母上様。
「「「はい!」」」
もう一度、一糸乱れぬ返事をした後、俺達はそれぞれの場所に向かって駆け出していった。
「それで、さっきの話の続きだけど」
子供達が駆けていったあと、私達はさっきまでの話題に戻ることにした。
「三人にギフトがついていないか、調べてほしいっていうのね」
ギフト、それは神々の祝福にして加護とも呼ばれるもの。
この世界には多数の神々がいるが上神クラスがついている子供は本当に稀だ。
そして、たとえ下級神の加護であってもその力は侮れないものであるし、ましてやそれが大天使クラスや女神クラス、そして上神クラスだったら下手をすれば災害と言ってもいいレベルの物になる。
「ああ、戻ってくる前に確かめて起きたい」
兄さんの表情はいつに無く真剣だった。
「はあ、わかったわ。
でも何もついて無くても落ち込まないでね」
そう二人に釘を刺してから、私はその魔法をつむぐ。
長い年月をかけて私が使えるようになった唯一の古呪魔法。
【我が前に、かの物の加護をさらせ】<マインドサーチ>
「ついてないほうが、どんなに良いか」
そんな、兄の呟きが私の鼓膜にこだました。
「ドロシーは、【プリメラの加護】
妖精プリメラ、人のすぐ傍で生活したまに悪戯していく妖精だね。
主に家事などが得意となる加護だったはずだよ」
まあ、マリアも同じ加護がついていたはずだし、それはあまりおかしくない。
次は双子ちゃんの番だね。
「クレアには、【魔王の同化】
サクラには、【勇者の浄化】
そして、二人とも【転生神の寵愛】がついている」
そういってから、魔法を解くと唖然とする三人の顔を見回す。多分、私も兄さん達と同じ表情をしていると思う。
「ねえ、兄さん、あの子達なにをやったの?」
とりあえず、【転生神の寵愛】は置いとくとしても、残りの二つが意味不明だ。
この子達は、何をしたらこんなめちゃくちゃの状態で生まれてくるのだろう。
そう思いながら、絶句している三人に最後のとどめを刺した。
「あと、私の力では読み取れないものが何個かあった気がする」
「「「つまり?」」」
「あの子達の加護は、これだけじゃないってこと」
私達四人の、表情は彼らが着替えて来るまではれる事は無かった。




