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マッチ売りの少女
雪が降りしきるひどく寒い夜
街の片隅に
少々の声が響きます
「マッチはいりませんか~」
道行く人は少女を気にもとめません
だって今日はクリスマス
ケーキやチキンを抱えて
家路を急ぐ人
手を繋ぎながら歩く人たち
みんな浮かれるのに忙しいのです
「あーカップルが繋いでる手
チョップしてやろうかな」
小声で悪態をつく少女
「そもそもさぁ」
「今時マッチとかありえなくない?」
「せめてライターだろ」
お人好しすぎて
知人の連帯保証人になった結果
大借金背負うはめになった
父のこと
このマッチも誰かに
押しつけられたに違いありません




